衝撃的なトレードから1カ月後のパッカーズ戦でQBラブへのタックルを狙うカウボーイズDTクラーク
2025年09月26日(金) 10:51
現地28日(日)夜に全米の視聴者がダラスに注目するとき、その視線はすべてグリーンベイ・パッカーズの背番号1を背負う選手に注がれるだろう。
しかし、AT&Tスタジアムで特別な感情を抱いてフィールドに立つ選手はディフェンシブエンド(DE)マイカ・パーソンズだけではない。長年パッカーズに所属していたディフェンシブタックル(DT)ケニー・クラークもまた、チームから放出されてから初めて古巣と対戦することになる。
クラークにとってこの試合には良い点も悪い点もある。一方では、新たにダラス・カウボーイズに加入したディフェンシブタックルとして、9シーズンにわたるNFLキャリアで唯一所属していたチームと対戦しなければならない。しかしもう一方では、クオーターバック(QB)ジョーダン・ラブを追い詰めるチャンスをついに得ることになる。
チーム公式サイトによると、クラークは水曜日にかつてのチームメイトにヒットする可能性を思い浮かべながら「ああ、今こそぶつかるときだ」と笑顔で語ったという。
「ワクワクしている。本当に楽しみだ。待ちに待った瞬間だ。ここにトレードされてからずっと考えていたことだ。試合が楽しみだ」
クラークはトレードで新たなチームへの加入が決まったことにどれほど衝撃を受けたかについて率直に語り、特にレギュラーシーズン開幕直前に他チームにトレードされる可能性など考えたこともなかったと認めた。
『The Athletic(ジ・アスレチック)』のジョン・マチョタによると、クラークは「たぶん人生で一番驚いたんじゃないかな。もちろん、パッカーズがマイカをトレードで獲得するとかそういううわさは聞いていたけど、まさか自分がトレードされるなんて思ってもみなかった。受け入れるしかないさ」と語ったという。
クラークがまだ複雑な感情を抱いているのは当然だと言えよう。残酷な運命のいたずらにより、クラークは重大な変化を受け入れるための時間すらほとんど与えられず、わずか1カ月足らずで元チームメイトと対戦することを求められている。
その元チームメイトたちはクラークがあいさつのために自分たちのもとに訪れると思わない方がいい。試合ではパッドをぶつけ合い、ボールキャリアーを倒さなければならない。クラークには一瞬たりとも気を抜く余裕などないのだ。
「試合が始まれば、試合に集中する」とクラークは話している。
「あいつらが来るなら別だけど、俺から行くつもりはない。それは愛でしかないし、あいつらもそれを分かっている。試合の後でも前でも構わないが、俺から近づくつもりはない。勝つことに集中している。勝つためにここにいるんだ。全力でプレーして、勝つためにできることは何でもやるつもりだ」
試合前の盛り上がりはパーソンズを中心に展開し、パーソンズがビジターチームのバスを降りてAT&Tスタジアムの地下通路へ足を踏み入れた瞬間からテレビカメラも彼を追い続けるだろう。その最中、もう一方のロッカールームでは、パーソンズのトレードによって影響を受けた1人の選手が、因縁の試合に向けて気持ちを高めることになる。
【RA】