期限が迫る中でセインツWRクックスにNFL史上最多5度目のトレードの可能性が浮上
2025年10月27日(月) 12:08
NFLのトレード期限である現地11月4日(火)まで残り1週間あまりとなり、多くのビッグネームがトレードのうわさに挙がっては消えている。
ラスベガス・レイダースのオーナーであるマーク・デイビスは、先週ニューヨークで行われた秋季リーグミーティングの際に『NFL.com』に対し、「誰もが他チームの優秀な選手を欲しがるものだ」と語りつつ、成績不振のチームに所属するスター選手の多くは実際にはトレードされない傾向にあると述べた。
そんな中で、トレードの可能性が浮上しているのがニューオーリンズ・セインツのワイドレシーバー(WR)ブランディン・クックスだ。
もしこれが実現すれば、クックスはNFL史上に名を刻むことになる。
現在32歳のクックスは、12年のキャリアの中で4度トレードされており、これはラインバッカー(LB)キコ・アロンソ、そしてプロフットボール殿堂入りを果たしたランニングバック(RB)エリック・ディッカーソンと並んでNFL史上最多記録だ。クックスは2017年にニューオーリンズ・セインツからニューイングランド・ペイトリオッツへ、2018年にペイトリオッツからロサンゼルス・ラムズへ、2020年にラムズからヒューストン・テキサンズへ、そして2023年にはテキサンズからダラス・カウボーイズへとトレードされている。
今季ここまで7試合でレシーブ14回、獲得ヤード127を記録しているクックスがもしトレードされれば、NFL史上初めて通算5度のトレードを経験する選手となる。
関係者によると、クックスのトレードは十分にあり得るという。
リーグ内では現在、クックスを含む複数のセインツのベテラン選手がトレード候補として話題に上がっており、同じワイドレシーバーのクリス・オレーブやラシッド・シャヒードの名前も挙がっているという。関係者によれば、オレーブがトレードされる可能性は低いものの、シャヒードについては交渉の対象になる可能性があるとのことだ。
クックスは今オフシーズンに2年総額1,300万ドル(約19億8,679万円)の契約を結んでいる。契約には480万ドル(約7億3,358万円)のサインボーナスと、わずか126万ドル(約1億9,238万円)の基本年俸が含まれており、トレードが成立しやすい条件と言えよう。サラリーキャップの面でも、比較的移籍しやすい契約構造だ。
セインツは今季開幕から1勝6敗と苦しいスタートを切っているものの、ベテラン選手たちが移籍を強く望んでいるわけではないようだ。たとえばランニングバック(RB)アルビン・カマーラは、トレードされるくらいなら引退するとチームに伝えており、他の複数のベテラン選手もチームが成長段階にあることを理解したうえで、セインツが築こうとしているチーム作りに残って関わりたいと考えている。
一方で、クックスに関しては双方に前向きな姿勢が見られるという。クックスが3月にセインツと契約を結んだ当初は、クオーターバック(QB)デレック・カーが先発を務めると見込まれていた。しかし2カ月後、カーが引退を表明し、ルーキーヘッドコーチ(HC)ケレン・ムーアのもとでチーム再建の過渡期を迎えることとなった。
セインツのジェネラルマネジャー(GM)であるミッキー・ルーミスは、ベテラン選手の立場を理解し、彼らをプロフェッショナルとして尊重する人物として知られている。もし適切なオファーがあれば、クックスを優勝候補のチームへ送り出すことも、その姿勢の一例と言えるだろう。
現在のトレード市場は有力選手が少なく、クックスはワイドレシーバー不足に悩むチームにとって貴重な補強候補となり得る。
【R】



































