コルツDCアナルモ、就任初年度に好成績に導くもHC候補としての注目には動じず
2025年11月27日(木) 13:58
たった1シーズンでNFLのコーチを取り巻く状況や評価が完全に変わってしまうのは、実に興味深いことだ。
1年前のこの時期、ルー・アナルモは失業の危機に直面していた。アナルモ率いるシンシナティ・ベンガルズのディフェンスは、NFLの中でも最悪のレベルであり、どのような相手にも対抗できる爆発的な攻撃力を持ちながらプレーオフ進出を逃した責任を一手に背負う存在となっていたからだ。そのシーズンは下降傾向にあった流れにとどめを刺す形となり、第56回スーパーボウルに進出してディフェンスも好調だった2021年シーズンを経て現実味を帯びていたアナルモのヘッドコーチ(HC)就任の望みは、ほぼ打ち砕かれた。
当然のことながら、アナルモはベンガルズのザック・テイラーHCによって解任され、ノートルダム大学の守備コーディネーター(DC)アル・ゴールデンが後任となった。最終的に、インディアナポリス・コルツから連絡を受けたアナルモは、ガス・ブラッドリーの後任として採用され、守備陣の指揮官として再び実力を証明するチャンスを得た。
それが、再びヘッドコーチ職への道を開くきっかけになる可能性もある。
現地25日(火)、アナルモは『The Indianapolis Star(インディアナポリス・スター)』に「いずれはそれがキャリアにおける目標にならないと言えばうそになるが、今はヒューストン・テキサンズに全神経を集中させている。そうあるべきだ。彼らは本当に優秀なフットボールチームだからね」と述べた。
「そういう話はありがたいが、今週は主に、そしてただ一つ、テキサンズに集中している」
アナルモが新たにヘッドコーチ候補と目されるようになったのは偶然ではない。アナルモはある程度競争力のある守備陣を率い、最も重要な指標である1試合あたりの失点で好成績へと導いてきた。コルツはシーズン第13週を迎えるにあたり、試合平均被トータルヤードで下位3分の1に位置しているのに対し、試合平均被得点(20.8点)ではNFL内9位につけている。
これらの数字は、大量のヤードを許しながらも、肝心な場面では踏ん張るという“曲がることはあっても、折れない”姿勢を物語っている。これこそ、コルツが8勝3敗の成績でAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)南地区首位に立ち、NFLを驚かせている大きな理由だ。
アナルモの名前が再びヘッドコーチ候補として浮上しているのには別の理由もある。ブライアン・ダボールHCを解雇して後任を探しているニューヨーク・ジャイアンツが、ダボールを選んだ2022年に候補者の1人だったアナルモを再び検討する可能性があるのだ。
また、ジャイアンツのコーチ探しを主導しているのは、アナルモにとって非常になじみ深い人物であるジョー・シェーンGM(ジェネラルマネジャー)だ。シェーンGMはアナルモがマイアミ・ドルフィンズのディフェンシブバック(DB)コーチ(後に暫定守備コーディネーター)を務めていた時期に、マイアミで共に働いていた。
シェーンGMは2022年、ジャイアンツのジェネラルマネジャーに就任した直後にダボールを採用した人物でもある。そのパートナーシップが終わった今、シェーンGMは自身の人脈をたどり、アナルモという別の顔見知りに目を向けるかもしれない。
現時点では、単なるうわさに過ぎない。コルツにはまだやるべきことが多く残されており、まずはテキサンズとの地区対決が控えている。テキサンズの最近の連勝によってこの試合の重要性はさらに高まっている。
しかし、コルツの勢いが落ちたとしても、ヘッドコーチの採用サイクルでアナルモの名前が再び浮上しても不思議ではない。アナルモは数年前に逃したその職を手に入れる可能性がある。
【RA】



































