シーホークス戦で今季最高のパフォーマンスを見せたタイタンズQBウォード
2025年11月26日(水) 12:45
テネシー・タイタンズは現地23日(日)に30対24でシアトル・シーホークスに敗れたことで6連敗を喫し、通算成績は1勝10敗となっている。
しかし、重苦しいシーズンを過ごすタイタンズにも、シーズン第12週にようやく明るい兆しが現れた。
確かに、タイタンズは大差をつけられた後に追い上げを見せたが逆転には至らなかった。とはいえ、チームで最も重要な選手が今回の試合で飛躍を遂げたのは明らかだった。クオーターバック(QB)キャム・ウォードは日曜日にプロとして最高のパフォーマンスを披露。大きなミスを避けつつ、強力な腕力を見せつけ、驚異的なプレーをいくつも決めてドライブを継続させた。
『Associated Press(AP通信)』によると、暫定ヘッドコーチのマイク・マッコイは月曜日に「次のステップに進んだということだ。彼はそれを成し遂げた」と述べたという。
「彼の戦い方、日々の取り組み方については最初から話してきた。オフシーズンプログラムで初めて集まったときに見せていた、早朝に来て遅くまで残るといった努力が、今まさに実を結び始めている」
ウォードはパス42回中28回成功、256ヤード、タッチダウン1回、インターセプト0回、パサーレーティング91.0を記録。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ/NGS)』によれば、ウォードはEPA(追加予想得点)+4.4をマークし、今季初めてEPAがプラスになったという。
オフェンシブラインが依然として苦戦する中、ウォードは4回のサックを浴びた(シーズン通算サック数45回はNFL最多だ)が、不安定なポケットの中で巧みに立ち回り、パスの42%でプレッシャーを受けながらもプレーを成立させた。NGSによると、ウォードはプレッシャー下で予想より11.0%高いパス成功率を記録したとのこと。
最も素晴らしいニュースは、ウォードが3試合連続でインターセプトを許さず、ルーキーシーズンを通して悩まされてきたファンブルも回避したことだ。
ウォードが今季最高のパフォーマンスを見せたのが、はるかに経験豊富なクオーターバックでさえ手玉に取ってきたマイク・マクドナルドHC率いるシーホークス守備陣との対戦だったことは注目に値する。実際、シーホークスは1週間前に挑んだロサンゼルス・ラムズ戦でMVP候補のQBマシュー・スタッフォードを130ヤード、パス成功率53.6%に抑え込んでいた。
着実にプレーを進める部分には改善の余地があるものの、ウォードはインパクトのあるパフォーマンスを見せている。日曜日の試合では、動き回る中でバランスを崩しながらもフィールドを横切る鋭いパスを新人ワイドレシーバー(WR)ゼイビア・レストレポに通し、攻撃を継続させた。ウォードはノールックの鋭いパスだけではなく、必要に応じてスクランブルも披露し、6回のランで37ヤードを獲得。キャリア初のタッチダウンランにも成功した。
シーホークス戦を迎えるにあたり、タイタンズ攻撃陣の平均得点はNFL最低の12.3点だった。それにもかかわらず、今回は被得点で6位につけていたシーホークス守備陣を相手に17得点も挙げたのだ。著しい進歩を遂げたと言えるレベルではないものの、ウォードとタイタンズ攻撃陣にとっては特筆すべき前進だと言えよう。
タイタンズにとっては今季の残り期間でどれほどクオーターバックが成長するかがカギとなる。それ以外のことは単なる雑音に過ぎない。2026年に向けてウォードが着実に成長を続ければ、それはチームの将来にとって大きな助けとなるだろう。
ドラフト全体1位指名を受けたウォードだけではなく、タイタンズでは他の新人選手も成長を見せている。ドラフト4巡目指名を受けたタイトエンド(TE)グンナー・ヘルムはシーホークス戦でキャッチ6回、51ヤードとチームトップの成績を残した。同じく4巡目指名のWRチムレイ・ディーケイ――パントリターナーとしてプロボウル選出が有力視されている――は90ヤードのパントリターンタッチダウンを決めたうえにキャッチ5回、44ヤード、タッチダウンキャッチ1回をマーク。ディフェンスでは、ドラフト3巡目で指名されたセーフティ(S)ケビン・ウィンストンJr.がチーム最多の10タックルを記録した。
ウォードは新人選手たちの活躍ついて「それは大きな希望を与えてくれる」と話している。
タイタンズではオフシーズンにオフェンシブラインからレシーバー陣に至るまで、さまざまなポジションの補強が必要になるだろう。しかし、クオーターバックがこのまま成長を続ければ、チームにおける最大の問題は解消されることになる。
【RA】



































