イリノイ州でのスタジアム建設に向けた公的資金確保の停滞でインディアナ州への移転を検討するベアーズ
2025年12月18日(木) 16:15
シカゴ・ベアーズがイリノイ州で屋内スタジアムを建設するために必要だと主張している公的資金の確保が停滞していることを受け、インディアナ州北西部への移転を検討していると発表した。
現地17日(水)、チーム社長のケビン・ウォーレンはファンに向けた公開書簡の中で、チームは依然としてイリノイ州アーリントンハイツ郊外に所有する土地に新しい本拠地を建設することを望んでいると主張し、ベアーズが州をまたいで移転する案を交渉材料として使っているわけではないとも述べた。
「これは優位に立つための手段ではない」とウォーレンは強調している。
「私たちはクック郡に新本拠地を建築するために何年も費やしてきた。複数の候補地を評価するのに多大な時間と資源を投じ、合理的にアーリントンハイツを選んだ。私たちのファンは世界レベルのスタジアムにふさわしい存在だ。選手やコーチ陣も、日々目指しているチャンピオンシップ水準に見合う会場を持つに値する」
ウォーレンはベアーズがインディアナ州北西部のどの場所に移転を検討しているかについては言及しなかった。
この書簡は、地区ライバルのグリーンベイ・パッカーズをホームに迎え、プレーオフ進出を左右する重要な試合に臨む数日前に公開された。ベアーズ(10勝4敗)はNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区でパッカーズ(9勝4敗1分)をわずかに上回っている。ヘッドコーチ(HC)ベン・ジョンソンの就任初年度にあたる今シーズン、ベアーズは2020年シーズン以来となるポストシーズン進出を目指している。
ウォーレンは「ベアーズは100年以上にわたりシカゴを本拠地としてきた」と述べ、こう続けた。
「確かなことは、この街に対する私たちのコミットメントは変わらないということだ。これからも地域社会を支援し続ける。熱心なファンの皆さんのために世界レベルの会場を確保し、皆さんが毎週もたらすエネルギーに応えたい」
新本拠地の候補地としてアーリントンハイツに所有する土地とシカゴ湖畔を検討してきたベアーズは、再び郊外の土地に目を向けている。チームは長年本拠地としてきたソルジャー・フィールドから北西に約48km離れた場所にある競馬場跡地にスタジアムを建設するために資金を投じる計画だとしているが、プロジェクトを完遂するには支援が必要だと主張している。
9月に公開されたチームのコンサルタントレポートによると、ベアーズはアーリントンハイツにファイナルフォーやスーパーボウルを開催できるスタジアムを建設するために、インフラ整備費として8億5,500万ドル(約1,333億0,433万円)の公的資金を求めているという。また、ベアーズはイリノイ州議会が10月にスタジアムのような大規模建設プロジェクトの固定資産税を凍結する法案を可決することを期待し、今年中の着工を目指していたが、それは実現しなかった。
「この規模のプロジェクトでは、不確実性は重大な影響をもたらす」とウォーレンは述べている。
「安定したスケジュールは極めて重要であり、予測可能なプロセスや、この規模のプロジェクトに必要とされる危機感や公共との連携への理解を共有する選出された指導者も同様に重要だ。しかし現時点で、危機感や理解が示されたことはない。イリノイ州に利益をもたらすにもかかわらず、州の指導者からも直接、このプロジェクトは2026年の優先事項にはならないと言われた」
2022年9月、ベアーズはソルジャー・フィールドから約48km離れたアーリントンハイツの土地の購入を最終調整していた際、レストランや小売店などを含む50億ドル(約7,793億8,000万円)規模の計画を発表。しかし、2年前にテッド・フィリップスの後任としてウォーレンが社長に就任してから、ソルジャー・フィールドの隣接地に新スタジアムを建設する方向へ転換した。2024年4月にシカゴのミュージアム・キャンパス一帯を再開発する計画を発表した際、ブランドン・ジョンソン市長からは熱烈な支持を受けたものの、イリノイ州のJB・プリツカー知事や議員からの反応は冷ややかだった。
昨春、チームは地元指導者との間で“著しい進展”があったとして、再びアーリントンハイツに注目すると発表。
ベアーズは1921年にシカゴに移転して以来、1921年から1970年はリグレー・フィールドを、それ以降はソルジャー・フィールドを本拠地としてきたが、自分たちのスタジアムを所有したことは一度もない。
記事提供:『The Associated Press(AP通信)』
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