イーグルス対コマンダース戦終盤に乱闘発生、3選手が退場処分に
2025年12月21日(日) 13:54
現地20日(土)に実施したフィラデルフィア・イーグルスとワシントン・コマンダースのライバル対決は、第4クオーターに激しさが頂点に達した。
ランニングバック(RB)セイクワン・バークリーが決めた2ポイントコンバージョンによってイーグルスが残り約4分半でリードを19点に広げた直後、両チームの複数選手が絡む乱闘が発生。その結果、3選手が退場処分となった。
退場処分を受けたのはコマンダース守備陣からディフェンシブラインマン(DL)ジェイボン・キンロウ、セーフティ(S)クアン・マーティン、そしてイーグルスのオフェンシブラインマン(OL)タイラー・スティーンだ。いずれも乱闘中のアンネセサリーラフネスの反則を取られ、退場を命じられている。
試合はイーグルスが29対18で勝利し、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区2年連続優勝を果たした。
スクラムはフィールド一帯に広がり、パンチこそ散発的だったものの、激しい押し合いと小競り合い、そして激しい言葉の応酬が続いた。混乱の中、レフェリーは合計6枚のフラッグを投げている。
21回のランで132ヤードを獲得してタッチダウンも挙げたバークリーは試合後、「まあ、そういう流れだったんだと思う。(中略)スタンドでもファン同士が揉めていたし(中略)それが試合にも持ち込まれたのかもしれない。かなり荒れていたし、このチームとは長い因縁がある。特に俺がここに来てからはね。向こうは俺たちを好きじゃない。それが事実だ。俺たちも向こうを好きじゃない」とコメントした。
試合後の会見で、点差が開いた終盤にイーグルスが2ポイントコンバージョンを選択したことを無礼に感じたかと問われたコマンダースのヘッドコーチ(HC)ダン・クインは直接的な回答は避けた。
ただ、クインHCは警告とも取れる発言を残している。両チームは年明け1月4日(日)【日本時間5日(月)】に、シーズン最終戦でフィラデルフィアを舞台に再戦する予定だ。
「もしそれが彼らのやり方なら、それでいい。2週間後に、またやるだけだ」とクインHCは言う。
また、尊重性を聞かれたコマンダースのラインバッカー(LB)ボビー・ワグナーは率直にこう答えている。
「そういうもんだろ、なあ。気にしない。無礼かって? そうかもしれない。でも、止めないといけない。それだけだ」
イーグルスのニック・シリアーニHCは点差を広げようとしたわけではないと説明し、19点差と18点差では意味が違うという数字の判断だったと述べた。
「念のため、そういう点差にしたかった。それがあの場面での計算だった」と語るシリアーニHCは「ディビジョン対決だ。常に一進一退になる。(中略)昨年のNFCチャンピオンシップゲームで戦った相手でもある。向こうがどれほどわれわれを倒したかったかも分かっているし、こちらがどれだけ勝ちたかったかも分かっている。ああいう場面では冷静でいなければならない。でも、それがNFC東地区のフットボールだ。(中略)向こうにもタフな選手がいるし、こちらにもタフな選手がいる」と続けている。
騒動が収束した後、ワグナー、バークリー、そしてイーグルスのQBジェイレン・ハーツがフィールド上で言葉を交わした。
バークリーによると、ワグナーからは納得できる指摘があったといい、「タフさを示すために手を骨折するようなことはするな。割に合わないし、罰金で大金を失うぞ、と言われた」と明かしている。
「俺たちはもっと良くならないといけない。もっと賢くならないといけない。俺自身がもっと賢くならないといけない。ああいう状況に身を置くべきじゃなかった。本当に、何の得にもならない」
コマンダースのワイドレシーバー(WR)テリー・マクローリンも、シリアーニHCが2ポイントコンバージョンを選択した理由は理解できるとし、ワグナー同様、不快感は示さなかった。
「イーグルス対コマンダースの試合だ。そういう戦いになる。(中略)長い歴史があるからね。向こうが勝っていたからって、手を抜くわけがない。2ポイントでとどめを刺しに来ただけだ。チームとして、“2ポイントを狙うな”なんて言えるわけがない。止めるのが俺たちの仕事だ。彼らのやったことに悪感情はない。ただ、試合が荒れて、誰かがケガをするような展開にはなってほしくない。このライバル関係には、そういう側面も含まれている。正直、それはこれからも変わらないと思う」
記事提供:『The Associated Press(AP通信)』
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