最優秀新人賞にカウボーイズQBプレスコット
2017年02月05日(日) 23:18その名前は大半の予想を覆すものだった。
現地4日(土)に行われたNFL表彰式で、素晴らしいデビューシーズンの締めくくりとしてダラス・カウボーイズのクオーターバック(QB)ダック・プレスコットがオフェンシブ・ルーキー・オブ・ザ・イヤーを勝ち取った。
大方の予想では、賞を与えられるのはカウボーイズのランニングバック(RB)エゼキエル・エリオットか、彼らのルーキー2人によるダブル受賞かと思われていた。得票数はプレスコットが50票中28票を獲得したのに対し、エリオットは21票となっている。
プレスコットが表彰に値しないということではない。むしろ正反対だ。ジャレッド・ゴフ、カーソン・ウェンツ、パクストン・リンチ、クリスチャン・ハッケンバーグ(!)、ジャコビー・ブリセット、コーディ・ケスラー、コナー・クックに次いで、もはや忘れられたかと思った4巡目に指名を受けたプレスコットは、トニー・ロモが骨折で離脱した8月に急きょ先発メンバーに放り込まれた。
運命の流れにもプレスコットは決して動揺しなかった。オープニングのスナップからベテランのような落ち着きを見せたルーキーは、まっさらな状態だったプレシーズンで視聴者を感嘆させた。レギュラーシーズンになればそれも変わるだろうとの予想も多かったが、この時のプレスコットはまだウオームアップ中だった。
16戦全てに先発し――それもロモをベンチに抑えながら――元ミシシッピ州立大学のスターはカウボーイズを13勝3敗、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)1位に導き、プレーオフのシード権獲得に貢献した。その間の彼の記録は23タッチダウン、4ピック、パス成功率は67.8%で平均8ヤードを獲得している。
公平に見て、プレスコットは全体4位指名のエリオットの驚異的なプレーに終始助けられていたともいえる。エリオットの獲得ヤードはリーグ首位となる1,631ヤード。エリック・ディッカーソンの持つルーキー・ラッシング記録には177ヤード届かなかったものの、1970年の合併以来ラッシングでNFLをリードするルーキーはエリオットでまだ5人目。他に肩を並べるのはディッカーソン、アール・キャンベル、ジョージ・ロジャースとエジャリン・ジェームスという顔ぶれだ。
プレスコットがこれほど話題になるのはそのポジションも関係している。ゴフは右も左も分からないままリーグ入りしたが、プレスコットはというと、飛び込んですぐに大活躍し、最もタフな仕事をやってのけた。彼をおじけづかせるものは何もないのではないかと思わせるほどだ。いつか失速するだろうと考えて人々は見守っていたが、彼は最初のスローから一流の選手であることを証明してみせたのだ。
NFC東地区の他のメンバー――そして参加する全チーム――にとって、プレスコットとエリオットがまだ始まったばかりであるというのは脅威だろう。けがさえなければこの2人はカウボーイズファンにこの先何年も喜びをもたらす存在となる――どちらが賞を取ったかに関係なく。