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ケスラーが1歩リードするブラウンズ先発QBの座

2017年05月15日(月) 09:41


クリーブランド・ブラウンズのコーディ・ケスラー【AP Photo/Ron Schwane】

2017年ドラフト全体1位指名で獲得したディフェンシブエンド(DE)マイルズ・ギャレットの存在はおそらく、先シーズン1勝15敗を喫したクリーブランド・ブラウンズにとって唯一の希望だろう。

そんな屈辱的な2016年からも何かを得た選手がいた。

ヘッドコーチ(HC)兼クオーターバック(QB)コーチを務めるヒュー・ジャクソンによれば、オフシーズンの練習で暫定的に先発QBを務めるのはコーディ・ケスラーとのことだ。

第2回新人キャンプ終了後の現地13日(土)、ジャクソンHCは『ESPN』を通じ、ブラウンズの先発QB争いについてこのように語った。

「先発QB争いは皆にチャンスがある。これは間違いない。だが、今のところコーディは素晴らしい仕事をこなしてきている。彼の名前を最初に挙げたのはそれが理由だ。彼の技術は向上しているし、本当に必死に練習している。先発QBとして試合に出場するだけの権利、機会が彼にはある。他の選手も彼から見習うものは多い」

ブラウンズの全員が勝利に飢えているが、先週金曜日に新人のギャレットも語ったようにNFLは選手1人の力だけで勝てるような甘いものではなく、チーム全体が一丸となって戦う必要がある。先シーズンはブラウンズの先発QBとして最も多い8試合に出場したコーディがチームの大黒柱として名乗りを上げた。もちろん、新人デショーン・カイザーもこの争いに加わってくる。カイザーは少なくとも来たる数年間、ブラウンズ先発QB候補の一角となるだろう。ブラウンズが第3のQBを必要とすれば、その役割はケビン・ホーガンに与えられそうだ。

それでは、ブロック・オズワイラーの立場は一体どうなるのか。

ジャクソンHCは「ブロックもその競争の中にいる。このチームに彼はいるんだ。だから、最初から言っているように彼を他の皆と同様に扱うのは当たり前だ」と語った。

最近のNFL事情を把握している者であれば、2018年ドラフト2巡目指名権と引き換えにブラウンズが法外な価格でヒューストン・テキサンズからオズワイラーを引き取ったことは誰もが認識している事実だ。それでも、ジャクソンはオズワイラーに関してのあいまいなコメントを続けている。

「このリーグでは複数の優秀なQBをチームに置いておくことや、彼らを練習させることは難しい。どのように事が展開するか、どんな事が起こるのかは誰にも分からないが、ブロックには競争力がある。彼もここまでは良い動きを見せている。他の選手ともうまくコミュニケーションを取っているようだし、チームに溶け込んでいる。ブロックにはチャンスを与え、彼がチームにどう貢献してくれるのかを見定めていく」

先シーズンは先発QBに6人もの選手を起用したブラウンズにとって、十分な能力を持ったQBをチームにそろえておくことが難しいというジャクソンHCの発言は間違いなく正しい。また、オズワイラーに関してあいまいなスタンスを取り続けるジャクソンHCの判断も同様である。オズワイラーの契約は上級副社長であるサシ・ブラウンの手中にあるのだ。そもそもチームが本当に必要として獲得した選手ではない以上、オズワイラーはチームにとってあまりにも未知の存在だ。

チーム体制が今後どのように整っていくのかはまだ定かではないが、ブラウンズの先発QBがケスラーのものになりつつあるという事実だけは本物であろう。