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シーホークスWRボールドウィンはQBウィルソンの特別扱いを気にせず

2017年05月31日(水) 10:21


シアトル・シーホークスのダグ・ボールドウィン【AP Photo/Stephen Brashear】

シアトル・シーホークスはスタークオーターバック(QB)をずっと特別扱いしてきた。

このことは同チーム内で本当に問題となっているのだろうか。

シーホークスのワイドレシーバー(WR)ダグ・ボールドウィンは現地30日(火)、『ESPN The Magazine(ESPN・ザ・マガジン)』に掲載された記事について質問を受けた。同記事では、複数のシーホークス選手はコーチたちがウィルソンを批判から過度に保護していると感じていると述べられている。

ボールドウィンは地元ラジオ番組『KIRO-AM』に「正直なところ分からない。その記事をちゃんと読んですらいないんだ。一部だけすこし読んだ。全部を読んでいる暇はなかった。ピート(キャロル/HC)は個々に性格の違う選手たち一人一人をそれぞれうまく扱っていると思う。みんなタイプの違う人間だ。みんなの動きも当然違う。ピートはそんな選手たちをうまく指揮している。俺に対してもそう。当然、ラス(ウィルソンの愛称)もそう。リチャード(シャーマン)だって、マーショーン(リンチ)だって、みんなそうだ。ピートは素晴らしい仕事をしている」と語った。

同記事はチームメイトに対してスターコーナーバック(CB)であるシャーマンが “今頃はすでにシーホークスがスーパーボウルで複数回優勝していてもおかしくなかった”と漏らしていたとし、シャーマンは第49回スーパーボウル敗戦の責任がウィルソンとキャロルHCにあると指摘したとも伝えている。ウィルソンはこの話に対するコメントを控えたものの、シャーマンはリーグ最高峰の守備陣に比べるとキャロルHCがウィルソンやその他多くの若いプレーヤーたちをまだその域に到達させていないと考えているようだ。

これらの文面を受け、ここ数年間にわたってキャロルによるチームへのメッセージがルーキーや新加入の選手同様にベテランに対してもインパクトを与えているのかと問われたボールドウィンはこのように答えている。

「正直に言えば“ノー”。ピートの話を聞いてもう7年目だから彼が何を言うかは口を開く前から分かっている。だが、インパクトがないということではない。勘違いしないでほしいが、昔と比べて彼の言葉自体にインパクトがないとは言っていない。もう何度も聞いているから昔と同じものがないだけ。効果は失われていない」

「一番初めのミーティングでピートはボールを掲げてこう言った。“全てはこのボ-ルにかかっている。われわれがこのボールをいかに扱うかで勝負が決まる。相手攻撃陣からボールを奪い、われわれが攻撃の際にはボールを死守しなくてはならない” このセリフは今もなお変わっていない。俺がピートを好きなのは彼が自分の哲学を一切曲げないところ。常に一貫した行動を取るところはピートの長所の一つだと思う。自分が描いた戦略を自分の哲学に則って行う。ピートは攻撃陣や守備陣、スペシャルチームにおいても全て同様に自分の信念を貫く。ただ、選手一人一人に対しては非常に柔軟な対応ができる人でもある。それでも、ピートが自分の哲学を曲げることはない」

仮にシーホークスの選手たちがウィルソンの特別扱いに対してへそを曲げているという話が事実であっても、チーム自体に悪影響が及んできたわけではない。幾多の困難をも乗り越えて成功を収めてきたキャロル政権は今のところ、各選手が本来の姿を現してもなお機能している。