大スターのリハビリで奮起できたとファルコンズOCサルキシャン
2017年06月08日(木) 15:12アルコール依存症が原因となって南カリフォルニア大学のヘッドコーチ(HC)を解任されて以降、スティーブ・サルキシャンは公にその問題と戦ってきた。しかしながら、サルキシャンがリハビリを開始する本当のきっかけとなったのは同じくアルコール依存症と格闘していたニューヨーク・ヤンキースの元エース、C.C.サバシアの存在だったという。
現在はアトランタ・ファルコンズで攻撃コーディネーター(OC)を務めるサルキシャンは、自身の問題について助けを求めていた当時をこのように振り返ったと現地7日(水)に『ESPN』のボーン・マクルアーが伝えている。
「(2015年10月に)メジャーリーグのプレーオフが始まる前、C.C.サバシアが治療開始を決めた時だった。自分の中でこう思ったんだ。“おお、俺みたいな人がいた。しかも彼はスポーツ界の大スター、ヤンキースのエースじゃないか” とね。彼がやったことを称賛したし、同じような道を歩もうと思った」
「やらなきゃならないとは分かっていた。ただ、良いやり方が分からなかった。しかし、彼の存在が俺に“何か成し遂げようとしている同じような人物がいるんだから、俺もやらなくては。じゃあ、どうやって、何を、いつ?”という考えを与えてくれた。そこで自分は決心できた。人生の中で最高の決断を下したと思う」
過去1年半にわたって問題の克服に向けて大きく前進してきたサルキシャンは、昨年はアラバマ大学で攻撃アナリスト兼OCを務めた。その後、ファルコンズがカイル・シャナハンの後釜としてサルキシャンをOCに抜擢(ばってき)している。同OCはリハビリを開始するという決断がフットボールのコーチとしてのキャリアを再構築するチャンスを与えてくれたと述べている。
サルキシャンは治療プログラムについて「すべてが順調。日々の自分の行動に少しずつ変化が起きている。実際のところ、うまくいっていると感じる。体の調子が本当に良いんだ」とコメントした。
同チームのダン・クインHCとジェネラルマネジャー(GM)トーマス・ディミトロフの両者は、サルキシャンが自身の問題に打ち勝つための全ての手順を踏み、チームの勝利に貢献してくれるだろうと期待している。昨年は得点力リーグ1位を記録した攻撃陣を後ろ盾に、2017年のサルキシャンはアルコール問題に打ち勝ったことや、プロレベルで指揮を執ることが可能であることを証明しようとしている。