オークランド・レイダースのクオーターバック（QB）デレック・カーの契約はドラマチックな展開をたどっている。両サイドに焦る様子はまったく見られないが、仮にこの契約がトレーニングキャンプの始まる7月後半までにまとまらない場合、両者ともこの契約を棚上げにしてシーズン開幕へと向うことになりそうだ。

この契約に関する情報はあまり多くないものの、カーとレイダースがもうじき契約を交わすだろうとの声は多く聞かれており、その額は記録的なものになると予想されている

『NFL Network（NFLネットワーク）』のイアン・ラポポートは現地9日（金）に放送された同局の番組“Up To The Minute Live（アップ・トゥ・ミニット・ライブ）”で、カーがQBとしては史上初となる年俸2,500万ドル（約27億6,000万円）を獲得する可能性を指摘していた。現時点では1年に2,460万ドル（約27億1,200万円）を稼ぐインディアナポリス・コルツのアンドリュー・ラックが全QBの中で最高額となっている。

カーとラックが若く才能あふれるQBであることに違いないが、この2人の決定的な違いは前者がAFC（アメリカン・フットボール・カンファレンス）でも数少ない王者ニューイングランド・ペイトリオッツと張り合えるだけの十分な戦力を備えたチームの司令塔であるということだ。それでもなお、ラックの年俸を上回りそうなQBはカーだけではない。

NFC（ナショナル・フットボール・カンファレンス）東地区でプレーするその選手は、フランチャイズタグが付けられたワシントン・レッドスキンズの司令塔、カーク・カズンズだ。同選手がカーによるQB史上最高額の契約に待ったをかける可能性があるとラポポートは言う。カズンズとレッドスキンズ間の長期契約はテンダー選手の契約期限である来月15日（土）までに結ばれなくてはならない。その時までにカズンズが契約にサインすれば、カーとレイダースの交渉にはカーが自ら課した期限である7月末までに2週間ほどが残される
形となる。

いずれにせよ、いつ、いくらで交わされるのかが議論されているだけであり、レイダースがカーと長期契約を結ぶことに疑念はない。