バイキングスRBマレーがレギュラー奪取に自信
2017年06月28日(水) 12:56トレーニングキャンプが近づくにつれ、各チームにおけるポジション争いは激しさを増す。オフシーズンのワークアウトやミニキャンプだけではコーチ陣にとっても判断材料に乏しいはずだ。全てはトレーニングキャンプを経て決定される。
長い間エースランニングバック(RB)として君臨したエイドリアン・ピーターソンが抜けた今、ミネソタ・バイキングスのバックフィールドではリーグでも最も激しいポジション争いが起きようとしている。同チームは今年3月、3年1,500万ドル(約16億8,000万円)の契約でフリーエージェント(FA)のRBラタビアス・マレーを獲得し、今ドラフトではトレードアップを行った上でフロリダ大学からダルヴィン・クックを指名した。
現地27日(火)に放送された『Good Morning Football(グッドモーニング・フットボール)』の中で、マレーは激化するポジション争いに真っ向勝負を挑む構えを見せている。
マレーは今オフシーズンに受けた足首の手術に関し、「自分的にはある意味、新しい攻撃陣の中で少しビハインドだと感じている。まだ故障からの回復段階にいるからね」と語り、「ダルヴィンはすでにOTA(チーム合同練習)にも参加してチームの中でこのオフシーズンを過ごしている。だからその点において、彼は俺よりも1歩リードしていると思う。だが、俺もベテランだ。NFLでの経験は俺の方が長い。このリーグでもそれなりの結果は残してきたんだ。そう考えれば、ダルヴィンとも良い勝負ができると思っている」と続けた。
また、マレーはこのようにもコメントしている。
「彼としては、“故障明けのベテランが戻って来たみたいだな。ちょっとベンチで休んでおいてもらおう。俺が先発さ。おじさんにレギュラーは渡さない”といった感じに思っているはず」
先発争いの話になると、マレーは競争心を爆発させる。
「自分的にはまだ活躍できると思っている。これは俺が得たチャンス。先発には俺がなる。開幕戦のラインナップには俺の名前が刻まれていなければならない」
ピーターソンの代役としてマレーを獲得したバイキングスがドラフトでもRBを求めているのは明らかだった。2013年ドラフト6巡目で指名を受けた27歳のテールバック(TB)はフィールド上で輝きを見せることもあったが、同時に、故障の影響で不安定なパフォーマンスを見せることも多い。過去2シーズンをオークランド・レイダースで過ごしたマレーは1キャリー平均4.0ヤードを記録。同チームはあまりためらいもなく彼との袂(たもと)を分かつ決断を下している。
マレーはドラフトでクックが指名された際にも驚かなかったと明かした。
「いずれにせよ、モチベーションを上げる必要があった。ドラフトは家で見ていたんだどちらにしろ、試合だけに集中して1人でモチベーションを高めようとしていたからね。そして、チームは彼を指名した。驚くことではなかった。1巡目で指名されてもおかしくない実力ある選手が2巡目でまだ残っているなら獲得するのが当然。チームは同じポジションの強力なライバルを連れてくる。どうしたって気持ちは高まるだろう」
マレーがいまだに故障から復帰中であることからも、ヘッドコーチ(HC)マイク・ジマーは新人のクックに相当な期待を寄せている。その意味で、トレーニングキャンプに向けてアドバンテージがあるのはやはりクックの方だろう。ペースチェンジが巧みなジェリック・マッキノンもまた、レギュラー争いに名乗りを挙げている。
それでも、マレーは新人クックが助けを求めてくればいつでも対応する姿勢を見せた。
「前にも言ったように、MJD(モーリス・ジョーンズ・ドリュー)、ダレン・マクファデン、マーセル・リースらは皆、俺が成長するように助けてくれた。同じことをダルヴィンにもしてやりたい。もちろん、チームで一番の選手がレギュラーを張るべきだ。彼に俺の持つ全ての知識を授けるからと言って、俺が降参するという意味ではない。パフォーマンスで競り勝つつもりだ」
バイキングスの開幕戦ではいったい誰がRBの座を獲得しているのか。
「俺がフィールドにいるはず。俺がボールを運ぶんだ」
マレーは最後にこう語っている。