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WRベッカムの負傷について語るジャイアンツHC

2017年08月23日(水) 09:59

ニューヨーク・ジャイアンツのオデル・ベッカム【AP Photo/Ron Schwane】

現地21日(月)に開催されたプレシーズン第2週のクリーブランド・ブラウンズ戦で、相手コーナーバック(CB)ブリアン・ボディ・カルフーンから強烈なヒットを受けながらも、ニューヨーク・ジャイアンツのワイドレシーバー(WR)オデル・ベッカムは深刻な負傷を免れた。火曜日、ジャイアンツのヘッドコーチ(HC)ベン・マカドゥーは記者に対し、ベッカムがMRI撮影を行った結果、足首を負傷していたと明かしている。ジャイアンツはこの試合、10対6で黒星を喫した。

ベッカムは試合後、チーム公式サイトを通じて「足首をひねった感じ。よく分からないけど変に曲がった。足首を痛めたことある? そういう感じさ。たぶん大丈夫」と語っている。

マカドゥーHCは来週もベッカムを試合から除外する予定はないが、レギュラーシーズン開幕前に彼の動きを見られるのはこのブラウンズ戦が最後となるかもしれない。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートはボディ・カルフーンのヒットがルール上全く問題ないものだったと指摘するが、ベッカムが足首を負傷したのは高く浮いたボールを捕球しようとした際にボディ・カルフーンから受けたローヒットが原因だ。

試合ではこのヒットの違反性が認められることはなかったものの、ソーシャルメディア上では危険なプレーとの声が多く上がっていた。ただし、この件に関してベッカムが深く言及することはなかった。

報道関係者によると、ベッカムは首を横に振りながら「分からない。フットボールの試合での一幕だから。まだプレシーズンだしね。俺が審判なわけじゃないから。俺的には普段よくあるプレーの1つだ」とコメントしたとのこと。

ベッカムの発言を受け、マカドゥーHCも「これがフットボール。上半身にも下半身にも、その間にもヒットできない。イーライ(マニング)が投じた球がたまたま高く逸れてジャンプするしかなかった。DB(ディフェンシブバック)にとっては難しいプレーだった」と述べている。

今回のようなヒットを望む選手は存在しないだろう。特に、プレシーズンにおける深刻な負傷は何が何でも避けたいはずだ。だが、先シーズンにジャクソンビル・ジャガーズからリリースされたボディ・カルフーンのような選手にとっては1プレーごとの評価が大事なのもの事実。生き残りを懸けた戦いに同選手は必死になっていただけだろう。

ブラウンズのHCを務めるヒュー・ジャクソンは試合後、今回のヒットについて次のように語った。

「正直に言うと、直接見ていたわけではない。悪意を持ってプレーしようなんて選手はいないと思っている。特筆すべき感情はない。良いヒットではない、あるいは、ルール違反のヒットだと指摘する者もいるかもしれないが、われわれもリプレーでもう一度よく検証してみないと分からない。難しい態勢でのプレーはよくあることだし、それがフットボールだ。彼は単純にタックルすべき状況でタックルしたまでで、その結果、ベッカムは良くない態勢で地面に落ちてしまったのだろう」

全ての人がボディ・カルフーンを擁護するわけではない。ジャイアンツのセーフティ(S)ランドン・コリンズは今回のプレーを公(おおやけ)に批判している。

『The New York Daily News(ザ・ニューヨーク・デイリー・ニュース)』によると、コリンズは「あんなプレーをするチームメイトが隣にいたら嫌だね。あまり許せないプレーだ。俺が求めているのはそんなんじゃない。違う風な対処法はいくらでもあったはずだろう」と語気を強めた。

さらにコリンズは「ペナルティにはならなかったが、皆も分かっているようにあれはすべきでないプレーだ。あのヒットをするまでに彼には30秒くらいあったはず。ベッカムにではなくボールに向かうこともできたし、上半身にヒットすることもできたはずだ。それでも、彼は違うプレーを選択した。リスペクトはできないね」ともコメントした。

ヒットに関する感情は人それぞれであろうが、何はともあれ、今回は大ケガにつながらずに済んで良かっただろう。