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ブラウンズ、バッカニアーズ戦の先発は新人QBカイザー

2017年08月24日(木) 11:38


クリーブランド・ブラウンズのデショーン・カイザー【AP Photo/Ron Schwane】

クリーブランド・ブラウンズのクオーターバック(QB)ブロック・オズワイラーがレギュラーシーズン初戦に先発するのかどうか、雲行きが怪しくなり始めた。

ヘッドコーチ(HC)ヒュー・ジャクソンは現地23日(土)、新人QBデショーン・カイザーがプレシーズン3戦目となるタンパベイ・バッカニアーズ戦に先発登板する予定だと明かした。

23日朝、チームが発表した声明の中でジャクソンは次のように語っている。

「今朝、次のバッカニアーズ戦の先発はデショーンで行くことをクオーターバックたちに伝えた。ブラウンズ攻撃陣の学習に時間を割き、基礎能力向上にもハードに取り組んでいるデショーンはかなりの成長を遂げてきた。彼はプレシーズンゲームでも攻撃陣を効果的に使えている。若きクオーターバックにとっては成長することが一番大事。デショーンにとって今回は次なるステップを踏むと言う意味でもあるし、彼はもうそのチャンスを手にするところまで来たということだ。今週、彼が先発としてどんなパフォーマンスを見せてくるのか楽しみにしている。デショーンは今、レギュラーシーズン初戦の先発の座をも奪える位置にいる」

「デショーンと同様に、ブロック、コーディ(ケスラー)、そしてケビン(ホーガン)もトレーニングキャンプを通してハードに取り組んでおり、それがクオーターバック陣の活性化にもつながっている。彼らがプレッシャーをかけ合って互いに成長しているゆえ、今後もこのような流れを継続したいところだ」

ジャクソンHCによる発言は単にオズワイラーに発破をかけているだけとも考えられるが、今週月曜日にブラウンズがニューヨーク・ジャイアンツに勝利を収める前、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが伝えていたように、オズワイラーはこの試合のパフォーマンス次第でレギュラーシーズン初戦先発を確定させていた可能性もあった。しかしながら、パス8回中6回の成功でインターセプトを1度記録した彼がコーチ陣を満足させることはできなかったようだ。この結果を受け、ジャクソンHCは今回のような声明を出し、オズワイラーに対してのプレッシャーをかけた可能性もある。

23日、NFLネットワークのトム・ペリセロは後にオズワイラーが今週土曜日の試合を欠場する予定であると報じ、これを認めたジャクソンHCは記者に対して「若い選手を使いたい。(デショーンは)ブラウンズの攻撃陣に慣れ始めている。彼にもチャンスを与え、このチームの良さを引き出せるかどうかを試してみたい」と発言した。

ジャクソンHCはこのタイミングでプレッシャーをかけることによって、仮想レギュラーシーズン初戦と目されるプレシーズン第3週の試合3日前からカイザーがどのような準備をするのか、そして試合当日に、バッカニアーズのような守備力の高いチームを相手に新人QBがどう戦うのかを見届けるつもりのようだ。この試合でカイザーが活躍できなければ、ジャクソンHCは初戦をオズワイラーに託す方向で決心できる。実際に、プレシーズン1試合の結果だけでさほどの変化が起きるとも考え難い。

とは言え、カイザーがこれまでに残してきた成果は目を見張るものがある。21歳という年齢にもかかわらず、彼は今季のプレシーズンに登場した新人選手の中でもひときわ輝きを放っている。ニューオーリンズ・セインツ戦ではパス18回中11回の成功で184ヤード、1タッチダウンをマークし、ジャイアンツ戦ではパス13回中8回の成功で74ヤード、1タッチダウンランを記録したカイザーはためらいを見せずに自らの足で切り込み、ボールを全方向へと動かすことができる。

今週末の先発予告を受けたカイザーは23日、記者に対して「すばらしいチャンスだ」と語っている。

いまだブラウンズは先発QBを固定できていないものの、ジャクソンHCによる戦略がチームを正しい方向へと導いているのは間違いなさそうだ。バッカニアーズ戦のカイザーが好パフォーマンスを見せた場合、ブラウンズによる今季開幕戦の先発QB発表には久しぶりに興奮を覚えるかもしれない。