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ライオンズ、QBスタッフォードが史上最高の年俸29億円超

2017年08月30日(水) 11:33

デトロイト・ライオンズのマシュー・スタッフォード【AP Photo/Paul Sancya】

今夏を通してデトロイト・ライオンズにエースクオーターバック(QB)との契約締結に関する懸念は一切なかったと言えよう。

現地28日(月)夕刻、ようやくマシュー・スタッフォードとの超大型契約締結が実現し、5年契約に調印したと発表。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが伝えるところによれば、今契約内容は保証額9,200万ドル(約100億8,000万円)の5年およそ1億3,500万ドル(約147億9,200万円)とのこと。この平均年俸2,700万ドル(約29億6,000万円)は今夏初旬にオークランド・レイダースが締結したQBデレック・カーとの平均年俸2,500万ドル(約27億4,000万円)を凌ぐものとなった。

今回の動きで今後の契約更新が予想されるアーロン・ロジャース、マット・ライアンやその他QBとの契約にも影響を及ぼす可能性は非常に高くなった。年俸3,000万ドル(約32億2,800万円)のQBが現れるのも時間の問題となりそうだ。

ライオンズは一方で、チームの核を担うセーフティ(S)グローバー・クインに対しては2年1,300万ドル(約14億2,500万円)と地に足付いた契約を結んでいる。スタッフォードの新契約について詳細はまだ判明していないが、彼の2,200万ドル(約24億1,000万円)というキャップナンバーは2018年にさらに跳ね上がると予想される。

何よりもまずライオンズにとって重要だったことはレギュラーシーズン開幕前に29歳のエースとの契約を完了させたことであろう。この契約によってスタッフォードからは不安とプレッシャーが取り除かれたはずだ。中心選手に多数のケガ人を出さなければライオンズの成功は難しくないはずだが、ここ最近はそれがあまりうまくいかない。チームは攻撃コーディネーター(OC)ジム・ボブ・クーターの下、オフェンシブタックル(OT)テイラー・デッカーや“史上最高額契約QB”の健康管理に気を配り、ワイドレシーバー(WR)のゴールデン・テイト、マービン・ジョーンズ、タイトエンド(TE)エリック・エブロン、セオ・リディック、ポテンシャルの高さを感じさせる若手ランニングバック(RB)アミール・アブドゥラーやWRケニー・ゴラデイといったタレント揃いの選手をいかに故障から遠ざけられるかが課題だ。

スタッフォードが唯一ネガティブな成績を残したのはルーキーイヤーの2009年のみで、タッチダウン/インターセプトの比率が13対20を記録していた。しかし、2011年から2016年にかけてのスタッフォードは毎年4,250ヤード、20タッチダウン以上を計上し、パス成功率は65%を超え、ここ2年はそれをも上回る成功率を収めている。ここ4年での同QBのパスレーティングは最低で84.2、最高で97をマーク。これほどまでにハイレベルで安定した成績を残せるQBは希少であり、今後の彼が急激に成績を降下させるとも考えづらい。

スタッフォードが台頭する前までのライオンズはQBを中心に問題を抱えることが多かったものの、逆にそれ以降はQB以外のポジションでバランスを崩すことが多くなっている。史上最高額を受け取るQBとなったスタッフォードが今年はNFL界最高の勲章である“リング”をはめることはできるのだろうか。