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カウボーイズRBエリオット、出場停止処分保留で初戦出場可能に

2017年09月06日(水) 12:39


ダラス・カウボーイズのエゼキエル・エリオット【AP Photo/Michael Ainsworth】

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは現地5日(火)、ダラス・カウボーイズのランニングバック(RB)エゼキエル・エリオットに対する6試合出場処分停止処分に関し、裁判官がエリオットによる主張を退けた後で一時保留することを決定したとの一報を伝えた。

NFLネットワークのトム・ペリセロは今回の停止処分は保留であるものの、NFLが今週末のニューヨーク・ジャイアンツ戦にエリオットを出場させることは可能だと報じている。

執行官のハロルド・ヘンダーソンによる決定は昨年に発生した暴力事件に関係するエリオットへの3日間にわたる尋問を行った上でのもの。NFLは先月、個人行動規範に違反したとしてエリオットに対して6試合の出場停止処分を下していた。

執行官による決定が正式発表となった後に発行された声明の中でエリオットの法定代理人は今回の決定に関して「非常に残念だ」と述べ、「出場停止処分は全てが棄却されるべきだった」と語った。

NFL選手会は先週、エリオットが出場停止処分を科されるのを防ごうとテキサス州の米連邦地裁に嘆願書を提出し、同時に、暫定的差し止め命令の申請も行っていた。連邦地裁の判事を務めるエイモス・マッツァント三世がこの嘆願書を考慮した上で停止処分の延期を実行するかどうかについての決定を今週8日(金)17時(中部標準時間)までに下す。

仮にマッツァント三世がNFL選手会の申請した暫定的差し止め命令を棄却した場合、エリオットの停止処分は第2週のデンバー・ブロンコス戦から開始することとなる。

『NFL.com』が入手した最新の裁判記録によると、NFL側は嘆願書の棄却を求めているとのこと。NFLは選手会が“裁判における不適切な働きかけ”を行ったと主張し、判決が下されていないにもかかわらず選手会側が取った行動は時期尚早であり、それゆえに今回の嘆願は認められないものだと強く論じている。

一方、NFL選手会が提出した嘆願書には執行官のヘンダーソンが主体となった今回の裁判プロセスが「選手会およびエリオットから基本的な公正さを奪った」との主張がつづられている。その他、嘆願書にはエリオットに有利となる重要な情報をリーグが意図的に本人や選手会から隠ぺいしていたとの記載も見られる。エリオットが起こしたとされる事件の調査を主動したカイア・ロバーツはエリオットを訴えた元恋人の証言が信憑(しんぴょう)性を欠いており、停止処分の決定を後押しするほどの十分な証拠は挙がっていなかったと発言していた。

先週金曜日、NFLのスポークスマンを務めるジョー・ロックハートはペリセロに対して「彼らは壮大な陰謀論を作り上げようとしている」とも語っていた。

先週のロックハートはフォートワースの地方紙『Star-Telegram(スター・テレグラム)』に対してこのようなコメントを残していた。

「リーグによる調査で上級副部長を務めたリサ・フリールはロバーツを外したミーティングでNFLコミッショナーのロジャー・グッデルにエリオットの6試合の出場停止処分を進言していた。これは控訴審の中でロバーツが実際に証言しており、ロバーツは停止処分の実行を勧めてはいなかった」

これまでに22歳のエリオットが逮捕、または、制裁を受けたことはない。

エリオットによる暴力事件の疑惑が浮上した当初、NFL特別顧問であるトッド・ジョーンズは独立専門家による調査結果を受けて発行した声明の中で、「2016年7月16日の週に複数回に渡り(エリオットが)元恋人であるトンプソンさんに対する身体的な暴力行為に関与したことを示す説得力があり、かつ、相当な証拠があると判断した」と説明していた。

シーズン開幕に向けて準備を開始する中、今週のエリオットはチームミーティングやトレーニングにも通常通り参加している。

【S】