スティーラーズQBロスリスバーガー、「今年のブラウンズは一味違う」
2017年09月14日(木) 13:561999年にクリーブランド・ブラウンズが新興チームとしてNFLに復活して以降、ピッツバーグ・スティーラーズのクオーターバック(QB)ベン・ロスリスバーガーはブラウンズから最も勝ち星を挙げているQBである。それゆえ、ロスリスバーガーのブラウンズロースターに関する分析は信憑(しんぴょう)性の高いものと言え、彼の口から出るブラウンズへのコメントにはそれなりの重さを感じる。ロスリスバーガーは過去数年を通し、幾度となく変化してきたブラウンズのロースターを誰よりもよく知っていると言えよう。
そんな彼が現地13日(水)、『Bleacher Report(ブリーチャー・レポート)』に対して「このチーム(ブラウンズ)は多くの人を驚かせることになる。初戦に対決できて良かった」と語った。
21対18で敗れはしたブラウンズだが、スティーラーズは先シーズンに2014年以来となる地区優勝を果たしてプレーオフ常連チームとなっており、ブラウンズはそのスティーラーズに引けをとらない戦いぶりを見せたのだ。奇しくも2014年はブラウンズがヘッドコーチ(HC)マイク・ぺティンの下、チーム本拠地のファーストエナジー・スタジアムでスティーラーズを31対10で下した最後の年でもある。
結局、ペティンHC時代にもブラウンズはもろさを見せたが、これはペティンHCや当時のジェネラルマネジャー(GM)レイ・ファーマーだけの責任とは言えなかった。これは単純に長きにわたって短命政権に終わってきたチームの悪習が原因であった。
先週末、ブラウンズは試合開始早々にミスを犯した。パントをブロックされ、自分の陣地へと転がったボールはそのままタッチダウンのボールへと変わり、ブラウンズがNFL界を良い意味で驚かせるようなスタートを切ったわけではなかった。しかし、その後、ブラウンズはランニングバック(RB)リベオン・ベルによるポゼッションを打ち砕いた。ブラウンズはランをアテンプトするごとにヤードを稼ぎ、ペナルティを科されることなく着実に前進した。
この試合でブラウンズが見せた試合展開は試合後半をかなりのビハインドから始めるこれまでのチーム状況とは全く異なるものだった。
ヒュー・ジャクソン、サシ・ブラウン、アンドリュー・ベリー、そして、ポール・ディポデスタによるブラウンズ政権はあと2年もすればチームをプレーオフ進出の常連チームへと生まれ変わらせるかもしれない。その頃にもなれば、激しい争いを繰り広げるAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区の他チームにも年齢を重ねた選手が多くなっているはずだ。
例えば、先週末のジャクソンビル・ジャガーズはこれまでのチーム再建失敗を経てようやく結果に結びついたと言えるような試合を披露した。2015年、ロンドンゲームでバッファロー・ビルズに勝利を収めたジャガーズのとある選手は試合後、「チームが負の連鎖を止めるために最も障害となっているのはフットボール界全体によるジャガーズの扱い方である」とも主張していた。それまでは大学に入りたての選手たちがプレーしているかのように取り上げられたジャガーズも、トム・コフリンがフロント入りした今、ようやくチームの前進を肌で感じ始めたに違いない。
ブラウンズにとっての現在のゴールは中途半端にならないことだ。ロスリスバーガーに賛辞を贈られることは喜ばしいことではあるが、その彼自身を倒すこと、あるいは、今週末にボルティモア・レイブンズを倒すことによって、ブラウンズは自軍の力をはっきりと世に知らしめることができよう。
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