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エリオットの訴訟に関するNFLの緊急手続き停止の訴えは棄却

2017年09月19日(火) 10:11

ダラス・カウボーイズのエゼキエル・エリオット【AP Photo/Michael Ainsworth】

予想された通り、連邦裁判所はNFL側が提出した緊急手続き停止申請を退けた。これはダラス・カウボーイズのランニングバック(RB)エゼキエル・エリオット側が今月初旬に要請し、6試合の出場停止処分が保留となった仮差し止めに異を唱えたNFL側が提出したものだ。

地区連邦地方裁判所のエイモス・マッツァント三世判事は現地18日(月)、エリオットへの処分取り消しを求めたNFL選手会による嘆願書をより深く検討するという理由でNFLによる申請を棄却。同判事による今回の判断は予測されていたため、NFL側は先週金曜日、エリオットへの処分を今週中に実行可能とするよう米国連邦第5巡回区控訴裁判所に求め、緊急手続き停止申請を行っていた。

上級裁判所の判断で緊急手続き停止命令が下されないかぎり、エリオットの訴訟に関するマッツァント三世判事による検討は数カ月を要するとされる。こうなれば、エリオットが2017年シーズンをフル出場することも可能となるだろう。米国連邦第5巡回区控訴裁判所への要請はすぐに停止処分を実行するためのものであり、かつ、団体労働協約の第46項に記載されるように、リーグに対する“悪質な行動”に基づく制裁処分がNFLコミッショナーのロジャー・グッデルの裁量に任されているということを改めて確認するためでもある。

NFLは米国連邦第5巡回区控訴裁判所に対して26日(火)午前11時(東部標準時間)までに裁定を行うよう求めている。これはロサンゼルス・ラムズとの第4週に向けてカウボーイズが練習を開始するタイミングだ。

マッツァント三世判事はNFLのコミッショナーであるロジャー・グッデルから指名を受けた仲裁人ハロルド・ヘンダーソン氏による控訴尋問で、エリオットが「根本的に公平な審理を受けていなかった」と自身の見解を示していた。

NFLは同判事の裁定がリーグと選手会によって承認された法的拘束力のある労働協約に抵触していると主張する。これは以前、トム・ブレイディに関連したデフレートゲートの訴訟やエイドリアン・ピーターソンによる暴力訴訟でNFL側が最終的に成功を収めた訴えと同様のものだ。

エリオットには元恋人のティファニー・トンプソンさんに対する暴力疑惑がかけられ、1年に及ぶNFLの調査の末にグッデルコミッショナーはエリオットがリーグ規定の個人行動規範に違反したとして6試合の出場停止処分を言い渡していた。

22歳のエリオットはこれを否定しており、この件に関してこれまでにエリオットが逮捕、または、制裁を受けたことはない。

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