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エゼキエル・エリオットがニューヨークの裁判所に差し止め命令を申請

2017年10月18日(水) 09:33


ダラス・カウボーイズのエゼキエル・エリオット【AP Photo/Ross D. Franklin】

エゼキエル・エリオット(カウボーイズ/ランニングバック)の代理人弁護士はエリオットの早急なるフィールド復帰を目指すため、米国地区裁判所に対して一時的差し止め命令と仮差し止めを申請した。また、選手会は同裁判所に対して現地17日(火)16時(東部標準時間)までにこの可否を決定するよう要求している。

選手会の弁護側は申請にあたり「NFL選手会とエリオット側は手続き上の不具合でなかなか前に進めない状態が続いている。エリオットに対するいかなる被害も食い止めるため、この裁判所に仮差し止めを申請する」と書している。

NFL選手会は第5巡回区控訴裁判所に再度、聴聞を請求していたが、17日に再び却下された。ニューヨーク南地区裁判所への申請はこの判決に先立って行われている。

選手会はまた、第5巡回区控訴裁判所に常勤する裁判官全員出席の上で実施する再審理を要求しているが、大法廷での再審理が実現するのはまれだ。テュレーン・スポーツ法政策のディレクターを務めるゲイブ・フェルドマンによれば昨年、第5巡回区控訴裁判所が担当した上訴200件のうち、全裁判員で再審理が行われたのはわずか6件にすぎないとのこと。ちなみに、米連邦控訴裁判所は“デフレートゲート”と呼ばれる騒動に際してニューイングランド・ペイトリオッツのトム・ブレイディが要請した大法廷での再審理を棄却している。

NFLと選手会の主張を聴聞する公聴会を開いた第5巡回区控訴裁判所がエリオットに対する処分の執行停止を求めた申請を棄却したため、エリオットの6試合出場停止処分は正式に先週木曜日から再び適用可能となっている。仮に選手会側が停止処分を保留にできなかった場合、エリオットが復帰可能となるのはチームがサンフランシスコ・49ers、ワシントン・レッドスキンズ、カンザスシティ・チーフス、アトランタ・ファルコンズ、フィラデルフィア・イーグルス、そして、ロサンゼルス・チャージャーズとの各戦を終えた11月24日(金)からとなる。エリオットが出場できる試合は11月30日に本拠地で開催されるレッドスキンズ戦になる見込みだ。

エリオットには元恋人のティファニー・トンプソンさんに対する暴力疑惑がかけられ、1年に及ぶNFLの調査の末にNFLコミッショナーであるロジャー・グッデルはエリオットに対し、リーグ規定の個人行動規範に違反したとして6試合の出場停止処分を言い渡していた。NFL側がエリオットに送った文書の中には彼が2016年7月中旬の5日間で3度にわたって元恋人に対する暴力を振るったと記されていた。

選手会は調査を結論付けるためにとったNFL側のプロセスに対して異議を唱えているとフェルドマンは語った。NFLによる主張は今シーズン中にエリオットの処分を執行することを狙ったものであり、また、団体労働協約の第46項に記載されるようにリーグに対する“悪質な行動”に基づく制裁処分がNFLコミッショナーのロジャー・グッデルの権限によって実行されることを改めて確認するためのものだ。

先日、フェルドマンは次のようにも語っていた。

「これはコミッショナーの権威を懸けたリーグと選手会の争いになっている。今回の事案はコミッショナーの権力に関する選手会とリーグによる継続した争いでもある。団体で合意に達したものに関し、われわれはNFL側が裁判で相当な時間を費やして一度決めた主張を曲げず、強調し、そして固辞する姿勢を取ってきたことを知っている。また、われわれは選手会がコミッショナーによる権力が度を越しており、選手会としては選手の権利を保護したいとの主張を続けてきたことも認識している・・・(中略)NFL側は裁判所がコミッショナーの決定や仲裁人の決定に対して干渉できるという以前の慣例を持ち出したくはないだろう」

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