現地15日（水）、バッファロー・ビルズが突然クオーターバック（QB）の交代を発表してファンを驚愕させた。

ヘッドコーチ（HC）ショーン・マクダーモットが今週末のロサンゼルス・チャージャーズ戦に新人QBネイサン・ピーターマンを先発起用すると明言した後、ベンチ入りが決定したタイロッド・テイラーは記者からの質問に対して次のように答えた。

「今回の決定には落胆している。明らかに納得はしていない。でも、新たな役割の中でチームにとってベストなことをするしかない。前を向いて行く」

この先発交代のニュースに対してはまだテイラー自身も当惑した様子で、記者の質問に対しては「コーチのマクダーモットに聞いてくれ」と繰り返していた。

水曜日の朝、マクダーモットHCは“勝つための”交代だと語った一方で「チームが現在5勝を挙げ、プレーオフ戦線にも残っているのはタイロッドのおかげ」とも認めている。

チャージャーズとの大事な一戦に向けた準備を進めるため、テイラーは寛大にもドラフト5巡目ルーキーであるピーターマンへの協力を約束している。

テイラーは「どんな形であれ、前を向いて彼に協力しなくてはならない。チームの勝利が一番なんだ」と語り、続けて「どんな状況であっても自分のような態度を取るように皆にも見習ってほしい」とも述べた。

また、テイラーは「自分にできるのは残りのシーズンの中で自分に与えられる機会を見失わないこと。（中略）いつだってフィールドから遠ざけられ、競い合えなくなるのは精神的にタフなものだ」とコメントを残している。

5勝4敗と好不調の波が激しいビルズは現在2連敗中でAFC（アメリカン・フットボール・カンファレンス）のプレーオフ争いから一歩後退している。ニューイングランド・ペイトリオッツやカンザスシティ・チーフスとの試合を控えたビルズにとって、今後は厳しい戦いとなるだろう。

アーロン・ロジャースほどではないにせよ、ボールを辛抱強く保持し、攻撃陣に的確な指示を出してきた今季のテイラーはチームの5勝に大きく貢献していたと言える。現在リーグで7番目に多くサックを許しているオフェンシブラインで新人QBがどのような活躍を見せるのかは興味深いところだ。

シーズン後半にかけて失速するチームにとってはこのような変革が頻繁に起きるが、今回の決定によってチームがテイラーの今後をあまり長期的な視野で見ていないことも浮き彫りになったと言えよう。