ブロンコス、レイダース戦にリンチを先発起用予定
2017年11月22日(水) 10:14デンバー・ブロンコスのクオーターバック(QB)パクストン・リンチにようやく先発の座をつかむチャンスが訪れる。今回の結果次第ではリンチがブロンコスの将来を担うQBとなる可能性も十分だ。
現地21日(火)、シーズン第12週のオークランド・レイダース戦にはブロック・オズワイラーに代わって2016年のドラフト1巡目指名選手であるリンチが今季初出場する予定だと、『NFL Network(NFLネットワーク)』のジェームズ・パーマーが伝えた。
このQB交代のニュースに先んじ、ラジオ番組に出演したジェネラルマネジャー(GM)ジョン・エルウェイは「バンス(ジョセフHC)と毎日話し合っている。それについても議題にする予定だが、最終的にはバンスの裁量だ・・・。現状を考慮すれば、もうじきどこかのタイミングでパクストンが出場するとは思っている」とリンチの出場を匂わせる発言をしていた。
今週の日曜日がその“タイミング”となるようだ。
先シーズンのリンチはトレバー・シーミアンの陰に隠れながらも出場機会には恵まれた方だった。リンチは肩を負傷したシーミアンに代わってシーズン第4週目のタンパベイ・バッカニアーズ戦に登場。その翌週のアトランタ・ファルコンズ戦でもシーミアンがまだ負傷中であったことからリンチが先発出場している。また、リンチはシーズン第13週のジャクソンビル・ジャガーズ戦で足を負傷したシーミアンに代わって再びフィールドに姿を現した。しかし、これらの試合でのプレーを通してもなお、リンチがシーミアンの絶対的バックアップQBとしての立ち位置を変更することはできなかった。
そんなリンチに今、最大のチャンスが訪れようとしている。
トレーニングキャンプではシーミアンの経験値を前に敗れて先発の座を取り逃がしたリンチ。プレシーズンゲームの3戦目で投球側の肩を負傷して戦線離脱を余儀なくされたリンチが復帰に向けてリハビリをこなす一方、シーミアンはシーズンの序盤から絶不調に陥っていた。フィラデルフィア・イーグルス、ニューイングランド・ペイトリオッツ、シンシナティ・ベンガルズ戦で先発を務めたオズワイラーは、残念ながらエルウェイGMやジョセフヘッドコーチ(HC)が理想とするQBではない。ここに来てようやく、2年目の有望株にチームの看板を背負って立つQBとなるためのチャンスがやってきたのだ。
シーズンもクライマックスに差し掛かり、次第に動きを見せ始めたリーグの中でもこのQB交代は興味深いものだろう。現在のブロンコスは6連敗を喫しており、チームは攻撃コーディネーター(OC)を解任したばかりでもある。エルウェイGMは今のチームを“軟弱”とも評した。果たして、2016年ドラフトで全体26位に指名されたリンチがチームの将来を担うQBとなれるのだろうか。
ブロンコスが今後対戦する6チームは今季苦戦を強いられているチームが多く、うち5チームが負け越している。今週末、リンチは今季いまだに1つのインターセプトも記録していないレイダース戦で2017年のデビューを飾る予定だ。リンチがこれらのチームに対して実力を発揮できないようであれば、今オフシーズンのエルウェイGMとジョセフHCは現状に見切りをつけ、QBとOCのポジションに新たな希望となる人材を求めるかもしれない。