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第52回スーパーボウルMVPはQBフォールズ

2018年02月05日(月) 14:46


フィラデルフィア・イーグルスのニック・フォールズ【AP Photo/Matt Slocum】

現地4日(日)、フィラデルフィア・イーグルスのクオーターバック(QB)ニック・フォールズが2つのトロフィーを手にすることとなった。

第52回スーパーボウルのMVPを受賞したのは、昨オフシーズンにプロフットボールからの引退をも考えていたフォールズだった。ニューイングランド・ペイトリオッツとの最終決戦で最高のパフォーマンスを披露したフォールズは、チームを41対33の勝利に導いている。

決して安楽ではなかったフォールズの道のりは、ミネアポリスのUSバンク・スタジアムで最高の結末を迎えたと言える。フォールズはこの日、373ヤードで3タッチダウンパスを投じただけでなく、自らのキャッチで1タッチダウンも決めた。イーグルスをチーム初のワールドチャンピオンへと導いたのみならず、フォールズはスーパーボウル史上初となるタッチダウンのパスとレシーブを共に決めたQBとなったのだ。

苦労人フォールズは試合終了直後、『NBC』のダン・パトリックに対してこのように喜びを語った。

「最高のチームメイトと最高のコーチ陣だった。試合前から自信はあったし、自分たちのフットボールをしようとしただけ。俺たちは小さな頃からフットボールを続け、この瞬間を夢にまで見てきた。きっとたくさんの子供達がこの試合を見ているだろうし、彼らの多くがいつかここで活躍する日を夢見ているはずだ。自分の娘と妻、家族やチームメイトと共にここにいられることを神様に感謝したい」

フォールズが栄誉ある表彰台に立つまでの道のりは長かった。2012年に当時はアンディ・リードが率いていたイーグルスから指名を受けたフォールズは、3シーズンを通じて24試合に先発出場を果たした。2013年シーズンに記録したタッチダウンとインターセプトの比率は驚きの27対2で、QBレーティング119.2はリーグトップに輝いている。しかしながら、その後はベンチを温める機会が多くなったフォールズはセントルイス・ラムズへと放出され、ヘッドコーチ(HC)ジェフ・フィッシャーの下で不遇の1シーズンを過ごしていた。

その翌年にはカンザスシティ・チーフスへと移籍したフォールズだったが、今季からは若きスターQBカーソン・ウェンツのバックアップQBとして2年契約を結んだ古巣へと舞い戻っていた。だが、エースQBウェンツがシーズン第14週にACL(膝前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を損傷して今季絶望となると、フォールズにもスポットライトが当たるようになる。

ビッグゲームにおけるフォールズのパフォーマンスに懸念の声が広がる中でも、イーグルスHCダグ・ペダーソンはポストシーズンの初めからスーパーボウルが終わるまで、苦難を乗り越えてきたQBを信じ続けていたようだ。

第52回スーパーボウルに挑んだゲームプランについてペダーソンHCは「アグレッシブなままでいたかったから、いくつかのランパスのオプションをとり混ぜたんだ。ペイトリオッツがすばらしい仕事をして、われわれのいくつかのプレーは見事に潰されたよ。ただ、私はニックと共に常にアグレッシブでいようと心掛けていたし、ニックには彼の好きなプレーメイカーを使って攻撃を組み立てさせた」と説明した。

レギュラーシーズン最後の2試合では冴えないパフォーマンスを見せたフォールズだが、何とか踏ん張ってプレーオフへの切符をつかみ取った。ポストシーズンではチームの3連勝に貢献しており、最終的にはチーム史上初となるスーパーボウル制覇を実現させている。

栄えある第52回スーパーボウルMVPに輝いたのは、2017年度のポストシーズンで971パスヤード、6タッチダウンパスを記録し、インターセプトはわずか1度しかマークしなかったフォールズだった。

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