イーグルスHCペダーソン、「今度はウェンツとスーパーボウルへ」
2018年02月06日(火) 12:08第52回スーパーボウルが終わった今、フィラデルフィア・イーグルスのクオーターバック(QB)ポジションにはある疑問が生じている。
イーグルスをチーム史上初のワールドチャンピオンに導いてスーパーボウルのMVPを受賞したのはQBニック・フォールズだ。若きエースQBカーソン・ウェンツのバックアップとしてイーグルスに移籍してきたフォールズは、年間MVPを獲得する勢いでブレイクするウェンツがシーズン第14週目でACL(膝前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂したのを受け、出場のチャンスを手にしていた。
イーグルスのポストシーズン最後の2試合で期待以上の活躍を見せたフォールズが、若手ホープのウェンツを脅かす存在になる可能性はあるのか。端的に言えばおそらく“ノー”だろうが、一応はヘッドコーチ(HC)ダグ・ペダーソンの説明を聞くべきだろう。
現地5日(月)朝、ペダーソンHCは「昨晩の試合後、フィールドの壇上でカーソンと直接話す機会があった。私は彼にこの瞬間を楽しむようにと伝えた。彼はすばらしいクオーターバックであり、彼が大きな理由だったんだ。つまり、このチームがチャンピオンシップを制覇し、スーパーボウルで勝利できたのはカーソンがいたおかげなのだとね。今度はカーソンにチームを先導してもらい、またこのゲームに戻って来たいと伝えた」と語った。
確かに、ウェンツがけん引するところのイーグルスが来季も再びスーパーボウルに出場する可能性は十分にある。2年目のウェンツをQBに立てた際のチームはロサンゼルス・ラムズやカロライナ・パンサーズ、ニューオーリンズ・セインツ、アトランタ・ファルコンズといったNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)のライバルたちと比べてベストチームだったと言えよう。さらに、イーグルスはチーム最高の選手が不在でもスーパーボウル制覇を成し遂げてしまった。フィラデルフィアが来季、ベストのメンバーをそろえて再び最終決戦へと駒を進めるのではないかと考えるのも妥当だろう。
来季もウェンツが先発QBであり続けるかという質問を受けたペダーソンHCは次のようにコメントした。
「その質問は避けて通れないと思っていたよ。今、お答えしよう。われわれは今の状況を楽しむつもりだ。飛行機に乗って、フィラデルフィアに戻り、現地でファンたちと喜びを共有するんだ。この先には長いオフシーズンが待っている・・・いや、われわれにはもう短いオフシーズンだね。この瞬間を楽しむつもりだ。ニックがいてくれてうれしいし、このチームにいられてうれしい。1人のチームではなく、皆のチームだ。さっきも言ったが、あと数日間はこの余韻を楽しみたい」
フォールズの状況はより興味深いものとなっている。バックアップとしてフィラデルフィアに移籍したフォールズが急きょ先発に昇格し、そして来季には再びバックアップに降格となるのか。フォールズにはもう1年の契約が残っているが、トレードで他チームから獲得を打診される可能性もありそうだ。イーグルスは計算外の活躍を見せた選手をダシに使い、チームの未来にとって最高のチャンスを手に入れることができるかもしれない
もしくは、今季と同じ事態に備えたいイーグルスがウェンツと仲の良いフォールズを手放さない可能性も考えられる。ただし、ウェンツが健康な状態でいる限り、2018年シーズンもそれ以降も、イーグルスがウェンツのチームであることは間違いないだろう。
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