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「クックスの離脱は大きかった」とペイトリオッツOCマクダニエル

2018年02月06日(火) 12:44

ニューイングランド・ペイトリオッツのブランディン・クックス【AP Photo/Tony Gutierrez】

第52回スーパーボウルに至るまでのニューイングランド・ペイトリオッツはすでに逆境に置かれていた。

ジャクソンビル・ジャガーズと対峙したAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップ戦では、前半に重要なパスキャッチャーであるタイトエンド(TE)ロブ・グロンコウスキーを負傷により失ったペイトリオッツ。このときは何とか勝利を収めることができたものの、ミネアポリスで開催された第52スーパーボウルで同じような運命を辿ることはなかった。

スーパーボウルの第2クオーター序盤、9対3で劣勢だったペイトリオッツのクオーターバック(QB)トム・ブレイディはドロップバックし、23ヤード前方にいたワイドレシーバー(WR)ブランディン・クックスにパスを投じた。これでイーグルス陣地へと入りこんだペイトリオッツだったが、このプレーはクックスがディフェンシブバック(DB)マルコム・ジェンキンスからヒットを受け、試合から除外される前のラストプレーでもあった。

第2クオーター残り13分11秒でジェンキンスによる激しいヒットを頭部に受けたクックスが復帰することのないまま、試合は41対33でペイトリオッツ敗北という結果に終わっている。ペイトリオッツは再び不測の事態への対応を迫られ、トップディープスレット不在で戦い抜くことを余儀なくされたのだ。

数字を見る限りクックスの離脱がブレイディのパフォーマンスに直接影響を与えた様子はなかったが、それでも、イーグルスにとって要注意プレーヤーが1人不在となった意味は大きかったようだ。

ペイトリオッツの攻撃コーディネーター(OC)ジョシュ・マクダニエルは試合後、「大きな痛手だったのは明らかだ。ただ、フィリップ(ドーセット)とクリス(ホーガン)はよく頑張ったと思うし、ビッグプレーもたくさん決めてくれた」と語っている。

マクダニエルOCは続けてこのようにも発言した。

「これこそがフットボールチームだ。毎週の試合を戦い抜かなくてはならない。故障を抱えながらプレーすることもあるし、試合中に故障してしまうことだってある。チームの選手たちはその場合に備えて練習を積み、準備をし、覚悟を決めている。だからこそ、彼らはよくやってくれたと思う。(クックスにとっては)非常にやりきれない話だろう。初めてのスーパーボウルという舞台でプレー時間が短く終わってしまったのだからね。個人的にも非常に残念だ」

1キャッチで23ヤード、2ターゲットの記録を残し、第2クオーター開始後わずか3分で離脱したクックスにとっては本当に残念な話だ。

一方で『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、ホーガンはクックスほどスピードが売りではないものの、マクダニエルOCが言うようにシーズンハイとなる驚きの時速21.35マイルというトップスピードをマークしていた。これはクックスが記録する20.48マイルよりもほぼ時速1マイル(約時速1.6km)速い数字だった。クックスの代役を務めたホーガンは8ターゲットで6回のキャッチを決め、128ヤードと1タッチダウンをマークした。グロンコウスキーも自分の役割を全うし、9キャッチで116ヤード、2タッチダウンを記録している。

しかし、それだけでは十分でなかったのだろう。試合時間2分を残した状況で、ブレイディにはディープスレットのカードがあと1枚必要だった。この時、ブレイディの最高の切り札となるはずだったクックスにはサイドラインで戦況を見つめることしかできなかった。

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