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「ベリチックになろうとは思わない」とライオンズ新HCパトリシア

2018年02月08日(木) 12:08

デトロイト・ライオンズのマット・パトリシア【AP Photo/Paul Sancya】

現地7日(水)、すっきりと髪とひげを整えたマット・パトリシアがデトロイト・ライオンズのヘッドコーチ(HC)就任記者会見に登場した。

ペイトリオッツの元守備コーディネーター(DC)は「到着した瞬間からここにずっといたような気分だ」と笑みをこぼしながら語った。

ビル・ベリチックHCの下で数年間働いていたパトリシアは、チームの勝利が最優先事項であると答える以外、先のプランについては語らない手法を身に着けていたようだ。

選手にあったスタイルを“編み出す”以外にパトリシアが具体的なプランを明かすことはなかった。攻撃コーディネーター(OC)としてジム・ボブ・クーターを残すかどうかと問われたパトリシアは「彼はうちのスタッフであり、ここにいるはず」とだけ答えている。また、ディフェンシブプレーに関してはパトリシアがコールを行うのか、あるいは、守備コーディネーター(DC)ポール・パスカローニに任せるかについても触れてはいない。

NFLでのコーチングキャリア全てをペイトリオッツで積み上げてきたパトリシアは2004年に攻撃アシスタントコーチとしてそのキャリアをスタートさせ、2012年にDCへと昇格している。現在のライオンズには元ペイトリオッツのフロントで2016年からライオンズのジェネラルマネジャー(GM)を務めるボブ・クインがいる。新HCはライオンズに“ペイトリオッツ式”を導入しないように努める意向だが、そのようなスタンダードを設けることはプロセスの一部であるとも語った。

パトリシアは次のように明かした。

「ある“方式”を定義するのは難しい。ボブと私は長い間一緒に経験を積んだ仲であり、一般的に、選手評価やチーム運営、コーチング方法に関しては似通った手法を採ると感じている。だからこそ、私たちにはすでに共通のバックグラウンドがあるとも言える。また、正直に言って、チームがどのように運営されるべきかに関し、ボブと私は同様の理解をしているはずだ。これは現状において、ボブと私がベストなパートナー関係である理由だ。共に協力し合い、われわれが信じ、理想的だと思えるライオンズの形を作り上げたい。それがフィールド上に現れることを願っているし、その時にいくらか結果が出てくれればうれしい。この段階に至れば“ライオンズ式”とでも呼び始めていいのではないか。そのようなオリジナルの“方式”を持てるまで、われわれには長い道のりが待っている」

パトリシアはNFL史上最も優れたベリチックHCの“模倣品”にならないよう努めながらも、ベリチックHCと過ごした期間を大切にしたいと明言した。

「実際に起きる前に彼は試合を全部見通している。彼の試合を先見する力、試合の動きや変化を察知する力は信じがたいものだ。こう言わせてもらおう。ベリチックという一人のコーチがいる。彼は本当に驚くべき人物。彼はニューイングランドのベリチックであり、私はマット・パトリシアだ。私は私。自分のスタイルも持っている。ただ、これまでに培ったものは必ず生かしたい。どのように教え、どのようにコーチングするかまで、ニューイングランドで学んだ基礎的な信念はどこでも通用すると思っている」

1991年以来プレーオフでの勝利がなく、2000年以降では7人ものHCが入れ替わってきたライオンズを引き継ぐこととなったパトリシアは、これらの流れを一掃してこれまで苦渋をなめ続けた数々のHCの歴史を塗り替えようと奮闘していく。

パトリシアはこのような状態のライオンズを引き継ぐことに抵抗はないとも語っている。

「私にとって、過去に誰が何をしたかは全く関係のない話だ。私は私にできることをして、チームを成功に導くようなプランを考えてそれを実行するまでだ。チームが正しい方向に進んでいるかを確認しながら前に進む・・・前任たちがしてきたことに関し、私が不安になることはない。全てが正しく行われるように全力を注ぐつもりだ」

常勝軍団となるために新しいリーダーを必要としたライオンズは、36勝28敗の戦績を残し、チームを2度のプレーオフ進出に導いたジム・コールドウェルを解任した。

ライオンズはベリチックイズムを踏襲した人物であればそのリーダーにもなれるだろうと見込んだものの、どうやらパトリシアは自分のスタイルを貫く意向のようだ。


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