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ジェッツがリーグ最大のキャップスペースを確保、FA市場では攻めの姿勢

2018年03月12日(月) 10:02

ニューヨーク・ジェッツのチアリーダー【AP Photo/Seth Wenig】

ここ2日間にわたるトレードの嵐が過ぎ去った結果、リーグナンバーワンのサラリーキャップスペースを誇っていたクリーブランド・ブラウンズはそのトップの座を譲ることとなった。『Over the Cap(オーバー・ザ・キャップ)』によると、フリーエージェント(FA)市場がオープンする3日前、正式なタンパリングが開始するまで残り1日となった時点で、リーグ最大のおよそ8,990万ドル(約96億円)分のサラリーキャップスペースを持つチームはニューヨーク・ジェッツとなった。

クオーターバック(QB)タイロッド・テイラーとワイドレシーバー(WR)ジャービス・ランドリー、そして、ディフェンシブバック(DB)ダマリアス・ランドールをトレードで獲得し、QBデショーン・カイザーとディフェンシブタックル(DT)ダニー・シェルトンを放出したブラウンズは、この2日間以内でキャップスペースの3,000万ドル(約32億円)分を費やした。これらのトレードが公式なものとなった際、テイラーとランドリーがブラウンズにおける最大のキャップナンバーとなり、両者はおよそ1,600万ドル(約17億円)ほどになると評されている。

まだ市場で活発な動きを可能とするスペースの余裕を確保しているブランズだが、今、リーグで最も財政的な柔軟性を持ち合わせているのは“ギャング・グリーン”ことジェッツだ。

FA市場がオープンとなれば、ジェッツに関心を示しているとされる市場最大の目玉プレーヤーであるQBカーク・カズンズ獲りにジェッツは真剣に名乗りを挙げるだろう。しかし、この選手の獲得競争にはミネソタ・バイキングス、デンバー・ブロンコス、そして、アリゾナ・カーディナルスといったライバルたちがすでにおおむね参加を表明している。現段階の情報によると、ジェッツはカズンズに対して完全保証契約をオファーするだろうが、バイキングスとブロンコスはそれを上回る魅力的なオファーを提示するだろうとの予想がなされている。

たとえカズンズ獲りに失敗した場合でも、ジェッツは早期段階のFA市場ではあらゆる選択が可能だと主張する。

ジェネラルマネジャー(GM)のマイク・マッカグナンは約2週間前のNFLスカウティングコンバインで次のように語っていた。

「当然のこと、市場初日の注目選手に関しては非常にアクティブに動く。ここ最近や今年のリーグを見ると、フリーエージェント市場は非常に展開の早い動きを見せていると言えるだろう。狙いを定め、獲得可能圏内に選手がいるならば、われわれは非常に積極的な動きを見せるつもりだ。目玉の選手に手を出す可能性だってあるし、そうしない可能性もあるだろう。市場がどのような動きを見せるのかはとても興味深いものとなるだろう。われわれもフリーエージェント市場で遅れをとるつもりは毛頭ない」

QBポジションだけではなく、全てのポジションに補修すべき穴が開いていると言えるジェッツだが、同時に、ベテランのコーナーバック(CB)モリス・クレイボーンやタイトエンド(TE)オースティン・セフェリアン・ジェンキンス、ラインバッカー(LB)デマリオ・デービスといったチームの核となるベテラン陣がFAで流出を防ぐための再契約も優先的に進める必要がある。

キャップスペースに加えてドラフト上位の指名権を持つジェッツは有望なベテラン陣の残留やチームの未来を救う最高級のQBを獲得など、今オフシーズンに大成功を収める可能性も秘めている。いずれにせよ、このまたとないタイミングでジェッツが積極的に動くのは至極当然のことだと言えよう。

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