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チーフスが3年の高額契約でWRワトキンスを獲得

2018年03月14日(水) 14:26

ロサンゼルス・ラムズのサミー・ワトキンス【AP Photo/Jae C. Hong】

カンザスシティ・チーフスは若きクオーターバック(QB)パトリック・マホームズが喜ぶだろうビッグネームのワイドレシーバー(WR)を手に入れる。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは情報筋の話を元に、チーフスとサミー・ワトキンスが3年契約でおおむね合意に至ったようだと伝えた。契約の内容はサイン時に3,000万ドル(約32億円)の保証が付く3年約4,800万ドル(約51億円)だとのこと。

14日(水)午後4時(東部標準時間)にリーグ新年度がオープンとなるまでこの取引が正式に認められることはない。

ワトキンスはアレン・ロビンソンと共に今オフのフリーエージェント(FA)市場に登場する2大WRと評されていたが、ロビンソンはシカゴ・ベアーズとの契約に13日午前中に原則合意した。ワトキンスは『NFL.com』が選出するFAトップ101の中で第5位にランクインしている。

ヘッドコーチ(HC)アンディ・リードにとってはワトキンス加入により、WRタイリーク・ヒルやタイトエンド(TE)トラビス・ケルシーと共にフィールドを縦に大きく使う攻撃を展開しやすくなるだろう。マホームズは自慢の肩の強さを生かした攻撃で3人のターゲットを使いながら、チーフスの先発QBとしては1年目となる2018年シーズンの活躍を誓いたいところだ。

ワトキンスはバッファロー・ビルズで故障の多いキャリアを送り、移籍したロサンゼルス・ラムズでも低調なパフォーマンスを見せたにもかかわらず、FAとなった途端に熱い視線を送るチームは多く出現した。HCショーン・マクベイの攻撃陣において、ワトキンスが第一線で活躍する場面は多くなく、593ヤード、39レシーブ、8タッチダウンを記録するにとどまっていた。

ラムズがワトキンスの残留を希望したことが市場の相場を押し上げた可能性はある。ワトキンスの3,000万ドルにおよぶ保証額は全WRの中でも5番目に高く、1,600万ドルの平均年俸はWRとして4番目に高い数字だ。故障歴を持つ600ヤードクラスのWRにしては多額の投資をしたようにも思えるが、チーフスは契約自体を短いものにすることでリスクを低減させた。

まるで10年以上のキャリアを持つベテラン選手のような風格だが、ワトキンスはまだ魅力的なスキルセットを持ち合わせる24歳である。健康時のワトキンスであれば、スピードを生かしたアウトサイドからの突破力や屈強な体格を生かしてミドルから攻め込むことも可能だ。レッドゾーンの脅威となる素質があることはワトキンス自身が証明している。

ロースター表を見れば、ヒルやケルシーに加えてワトキンスまで加入したインパクトは間違いなく大きい。チーフスのワトキンスはレッドゾーン内でのケルシーとのコンビネーションやヒルとのディープスレットデュオを形成することとなる。ランニングバック(RB)にはカリーム・ハントも存在することから、2018年シーズンのリードHCは多様な攻撃オプションを選択可能だ。

チーフスが今オフシーズンに先発QBをマホームズとした時から、チーム全体が彼を初陣から活躍させたいという思いを抱いている。リーグナンバーワンWRに輝くポテンシャルを備えたワトキンスに対し、チーフスは多額を投資してそれを実現させるためのチャンスを与えた。マホームズが肩を生かしたパスをワトキンスやヒルに絶え間なく投じるのであれば、2018年シーズンの攻撃陣で一番見るのが楽しいチームはカンザスシティ・チーフスとなりそうだ。

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