ニュース

カーディナルスがベテランSマシューをリリース

2018年03月15日(木) 16:03


アリゾナ・カーディナルスのタイラン・マシュー【AP Photo/Ross D. Franklin】

ベテランセーフティ(S)との契約改定に尽力したものの、努力が実ることはなく、アリゾナ・カーディナルスは最終的にタイラン・マシューとの袂(たもと)を分かつ決断を下した。

ジェネラルマネジャー(GM)スティーブ・カイムは次のような声明を発表している。

「皆も知っての通り、私の中でタイランはいつも特別な存在であったし、これからもそうだ。これがビジネスの一環であることは理解しているものの、決して簡単な決断ではなかった。今後もずっとタイランが成功することを祈っている」

カーディナルスが今後2シーズン分の1,900万ドル(約20億円)を保証するマシューの契約オプションを行使する期限は今日までとなっていた。2016年に5年6,250万ドル(約66億5,000万円)の契約を結んだマシューの実働はわずか2シーズンに終わった。2017年度のサラリーキャップでは1,410万ドル(約15億円)を占めたマシューの契約だが、チームは彼をリリースすることでキャップに480万ドル(約5億1,000万円)のスペースを確保した。

先週、『NFL.com』のグレッグ・ローゼンサルに対してカーディナルスがペイカットを打診してきたと語ったマシューはそのチームの考えに関し、「俺のポケットからお金を引き出す他にやり方はいくらでもあったはずだ。俺からお金を巻き上げようなんて、あまり良い感じはしなかったね」と嫌悪感を示していた。

ここ数日間、チームはマシューとの契約を何とか成立させようと取り組んできたものの、オールプロに1度選出された彼との交渉は難航し、結局はリリースする形で決着となった。

マシューは『Twitter(ツイッター)』を通じ、「過去5年間にわたってカーディナルス組織全体がしてくれたことに心から感謝している。個人的には、自分を信用してくれたマイケルやスティーブ、B.Aなどには特に感謝を伝えたい。何よりもファンの皆やチームメイトとの別れが寂しい。アリゾナコミュニティでの活動は続けるつもりさ!」と語っている。

セーフティとしてのプレーが要因というよりも、新ヘッドコーチ(HC)スティーブ・ウィルクス率いる守備陣のスキームにマシューがうまくはまらないとされたことが今回の放出の要因ともなった。昨シーズンも以前と同様に故障がちなシーズンを送った25歳のマシューだが、健康な状態であれば適切な守備陣の中で相手への脅威となれる選手だ。

フリーエージェント(FA)市場に登場するマシュー獲得に手を挙げるチームは多いだろう。マシューは『NFL.com』が選出する2018年FAトップ101の中でトップ5以内にランクインしている。

2回のACL(膝前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)損傷から復活を果たしたマシューのもとにはキャップスペースに余裕のあるチームからオファーが届くだろう。マシューの元守備コーディネーター(DC)ジェームズ・ベッチャーが現在はニューヨーク・ジャイアンツでDCを務めていることから、彼の新天地がニューヨークとなる可能性も浮上する。

リーグ新年度が開始となる中、マシューがオープン市場で今まで以上の契約オファーを手にすることもあるはずだ。

マシューは先週、ローゼンサルに対して「俺のエージェントもそう思っているみたいだ」と明かしていた。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートはツイッターにこのように投稿した。

「新たにアリゾナ・カーディナルスからリリースとなったCBタイラン・マシューがこのようなメッセージをくれた。“新たなチャレンジへの準備はできている。トップのDBになってやるつもり。新たなスタートってのは良いもんだね”」

【S】