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ジェッツがコルツから2018年3位指名権を獲得

2018年03月19日(月) 10:21

ニューヨーク・ジェッツ【AP Photo/Bill Kostroun】

来月のドラフトでチームの歴史を変えるだろうフランチャイズクオーターバック(QB)を指名するため、ニューヨーク・ジェッツは今できる全ての可能性を試している。

チームは現地17日(土)、インディアナポリス・コルツとのトレードによって2018年ドラフトの全体3位指名権を獲得したと発表した。その見返りとしてジェッツは今ドラフトの全体6位、37位、49位の指名権に加え、2019年の2巡目指名権をコルツに譲渡している。

全体6位から3位の指名権にトレードアップしたことで、ジェッツが狙い通りのQBを指名するチャンスは大いに高まった。ジェネラルマネジャー(GM)マイク・マッカグナンはチームが誰を選択するかについて語っていないものの、ジェッツがQBのサム・ダーノルド、ジョシュ・ローゼン、ジョシュ・アレン、そして、ベイカー・メイフィールドのうちの誰かを指名するだろうとの憶測は飛び交っている。このジェッツの取引によってクリーブランド・ブラウンズの全体1位指名にも影響が及ぶとされ、おそらくブラウンズはNFLスカウティングコンバインで圧倒的成績を残したサクオン・バークリーではなく、QBを全体1位で指名する可能性が高くなるだろう。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートによると、コルツとのトレードを成立させる前にジェッツは全ての選択肢を試したとのことで、マッカグナンGMはブラウンズの全体1位指名権にさえも触手を伸ばしたようだと伝えた。

その一方で、コルツのクリス・バラードGMにはジェッツのオファーを受ける前にも複数のQBを欲するチームから問い合わせがあったようだ。アンドリュー・ラックが健康な状態で復活を遂げると想定しているコルツがQB指名の予想される今ドラフトの上位指名権をトレードしたがるのも納得だ。バラードGMは17日、チームの公式サイト上でコルツは今年のドラフトに関しては適切な状況下で再びトレードダウンを行うプランを打ち明けていた。

ここまでフリーエージェント(FA)市場での動きをほとんど見せてこなかったコルツは今、多少の問題を抱える攻守を共に強化するためのドラフト指名権をたっぷりとため込んでいる。

バラードGMは次のように語った。

「全体6位であればまだまだ優秀な選手は獲得できると考えている。それに、今年は2巡目に2つ、来年も2つの指名権を獲得できた。今年のドラフトでは50位以内に4つ、来年は1巡目に1つ、2巡目に2つと、3つの指名権を持つということ。これによって、われわれには若きタレントをしりえるチャンスを手にし、将来的に必要となる才能ある若い選手集団を形成することが可能となった」

FAカーク・カズンズ獲り戦線から離脱した後、マッカグナンGMはチームのQBポジションにおける戦略を変え、ドラフトに焦点を当てる必要に迫られていた。膝の大ケガを経てから約2年ぶりに先発復帰を目指すテディ・ブリッジウォーターやQB陣の教育係として見られるジョシュ・マカウンがいるものの、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップへの近道はジェッツが今ドラフト1巡目でフランチャイズQBを指名することで切り開けるだろう。

メイフィールドとローゼンのプロデーを視察し、自らの目で今ドラフト候補生のQBたちの動きを確認するマッカグナンGMは来週にもダーノルドとアレンのプロデーを視察に訪れる予定だ。

相当な犠牲を払ってまで今ドラフト順位を3つ繰り上げたジェッツの戦略が、果たして吉と出るのか、凶と出るのか、非常に興味深いところである。

【S】