ラムズ、1巡目指名権を譲渡してペイトリオッツWRクックスを獲得
2018年04月04日(水) 10:30ロサンゼルス・ラムズのジェネラルマネジャー(GM)レス・スニードがまたもや仕掛けた。
ラムズがニューイングランド・ペイトリオッツからワイドレシーバー(WR)ブランディン・クックスとドラフト4巡目指名権を獲得したようだ。『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガロポロがこの動きを伝えた。ラムズは見返りとしてペイトリオッツに今ドラフトの1巡目指名権(全体23位)と6巡目指名権を譲渡するとのこと。
昨オフシーズンにトレードでペイトリオッツ入りを果たしたクックスはここ2年で2つ目のチームへと移籍する。スピードスターのクックスは第52回スーパーボウルに先発出場を果たすものの、故障によって途中離脱した。ペイトリオッツ時代のクックスは65キャッチ、1,082ヤード、7タッチダウンの記録を残している。
保証された実力を持ちながらも若いうちに2度もトレードを経験したレシーバーの中でベストな選手と言えるクックス。ここ3シーズン連続で1,000ヤード超え、5回以上のレシービングタッチダウンを決めたのはクックスを含めて3人しかおらず、他の2人はアントニオ・ブラウンとラリー・フィッツジェラルドだ。
サミー・ワトキンスが去った後にもう1枚のディープスレットを欲していたラムズへと移籍するクックス。最上級のスピードとビッグプレーを生み出す能力を備えるクックスが加入した今、ラムズのWR陣はフィールド上の全てのゾーンにおけるターゲットをそろえたと言える。5年目に突入したクックスは新人契約の最終年(850万ドル/約9億円)を迎えており、優秀な能力の割にはお手頃価格の選手でもある。
クックスの取引は今オフシーズンに辣腕(らつわん)を振るってタレントを獲得してきたスニードGMによる最新の動きとなった。スニードGMはディフェンス中心に動いてきたものの、クックス獲得によってラムズはクオーターバック(QB)ジャレッド・ゴフの肩を生かすことのできる完璧なレシーバー陣を整え、相手チームに脅威となる攻撃陣を完成させた。
取引の対象となる大半の選手とは違い、今回の動向はクックスへの打撃とはなっていない。むしろ、チームが自らのニーズに合わせてある資産をほかと交換した形だ。ペイトリオッツのQBトム・ブレイディが1キャッチ平均ヤードでチーム1位(16.6ヤード)のターゲットを失う一方で、これまでに手にした複数のドラフト1巡目指名権と2巡目指名権を駆使し、今ドラフトでQBを指名するのではとの議論が持ち上がっている。加齢に抗うブレイディだが、時間が逆行することはなく、ジミー・ガロポロがトレードされた流れからもペイトリオッツがいよいよブレイディの後継者探しに本腰を入れたと見るのは妥当だ。
ペイトリオッツが前記のドラフト指名権を複数用いて優良なQB指名に走る可能性もあり、また、1つの指名権でオクラホマ州立大学のメイソン・ルドルフのようなBクラスの評価を受けるQBを指名する可能性もある。現在のペイトリオッツにはその他の指名権を使ってフリーエージェント(FA)で去った選手たちが開けた多数の穴を補強する必要もある。いずれにせよ、クックスの取引がチームを構築する際にヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチックが常に必要としてきた“柔軟性”を生み出したのは間違いない。
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