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パス精度に苦しむチーフスQBマホームズ、HCリードは心配せず

2018年05月28日(月) 10:03


カンザスシティ・チーフスのパトリック・マホームズ【AP Photo/Ed Zurga】

わずか1試合の先発出場しか経験していないパトリック・マホームズに正クオーターバック(QB)の職を担わせたカンザスシティ・チーフスには多くの称賛が与えられた。

しかしながら、若きQBが大きな飛躍を遂げるにはまだまだたくさんのステップを踏む必要がありそうだ。

ヘッドコーチ(HC)アンディ・リードとその他チーフスコーチ陣はオフシーズンの練習中からマホームズを徹底的に指導している。メディアに公開された現地24日(木)のOTA(チーム合同練習)でマホームズは全体を合わせた練習で15回のパスを投げてわずか4回の成功、インターセプトを1回記録するなど苦しい姿を見せたようだ。これは『ESPN』のアダム・テイシャーが報じたものだ。

通常であれば、OTA中のパス精度やインターセプトについては叱られることもあるだろう。しかしながらチーフスの場合、その様子はコーチングスタッフがマホームズをいかに信頼しているかを改めて示すものであり、もしチーフスがプレーオフ進出を狙うのであれば、マホームズが攻撃陣を指揮する以外には選択肢がないということを痛感させるものでもあった。

24日、チームの公式サイトを通じて「(コーチたちは)全体のオフェンスに対して本当にたくさんスローさせようとするんだ」と、不調について語ったマホームズは続けて「もしミスするなら今のうちにしておくべきだ。試合中にはミスしたくないからね。今はたくさん放って、試合中にはより楽に感じられるようにしたい」とも述べた。

リードHCも同様に練習中の不調に関し、若きQBが学習プロセスを経ているのだと理解を示しているようだ。

練習でマホームズが投じるインターセプトの多さについて心配かどうかと問われた際、リードHCはこのように語っている。

「いや、これはアレックス(スミス)がいた時にも伝えたが、このキャンプはまだテストを行うためのものだ。新しい選手たちにもたくさんパスを出させるし、これらのキャンプ中にどれだけやりこめるかを試している。だから、インターセプトも増えて当然。それが悩みの種になることはない。何度も繰り返すようであれば問題かもしれないが、それでも、試してみてできるかどうかを見るのも大切だ。これは物事が作用する1つのやり方でもある」

2017年シーズンに1度だけ先発したマホームズは33回のパスを投じて22回の成功、284ヤード、1インターセプトを記録して多方面からの称賛を受けていた。強肩のマホームズはこの試合、昨年のドラフトでチーフスが1巡目に指名するに値する驚きのスローや新鮮さを見せつけていた。極論を言えば、この試合内容があったからこそ、チーフスはスミスから若きスターへの世代交代を行うスムーズな決断ができたのだ。

オフシーズン中の練習は若きQBの限界点を知るためだけに利用されるものではない。コーチ陣はマホームズがプレーブックをどの程度頭の中に落とし込めているかを見極めてもいる。

リードHCは次のようにも語った。

「彼には多くのことを経験してほしいし、そうすべきだ。その中で動いてみて、多種多様な場面の中で自分の色を出していくんだ。自分が一番得意なものを試しながら見つけていき、アレックスがやったように、自らを中心に攻撃を組み立てる。今まではアレックス中心の攻撃陣を形成してきたが、これからはこの若きQBの出番。そういった部分を手探りしていかねばならない。現在はそういったことを行っている」

春の段階での不調は秋の問題の前兆としてとらえられるべきではない。今回は大きな期待を背負う選手にも多少は不調の時期があるということを改めて知ることができたと考えよう。スミスからマホームズへと正QBが移り行く中、チーフスが何かしらの問題に直面することは免れられない宿命でもあるのだ。

【S】