ジェッツQBブリッジウォーター、OTAを通じてトレード価値上昇か
2018年05月31日(木) 12:59フリーエージェント(FA)市場がオープンして間もなく、ニューヨーク・ジェッツは安価なクオーターバック(QB)テディ・ブリッジウォーターと契約を結んだものの、その後に貴重なドラフト1巡目指名権を使って将来の正QBと見込んだサム・ダーノルドを指名した。
ダーノルドは現在、チームが首を長くして待ち望んだフランチャイズQBとして大歓迎を受けており、ブリッジウォーターの獲得には主に、手術した膝が完全に回復済みであることが証明された場合に、ドラフト指名権とトレードする狙いがあったとの見解にさらなる信憑性を与えている。
ブリッジウォーターは新チームで鮮やかな印象を残すスタートを切っており、これを見た『ESPN.com』のリッチ・シミニに至ってはブリッジウォーターのトレード価値が“上昇トレンド”にあるとまで言わせた。
ミネソタ・バイキングス時代には2014年にペプシNFL年間新人賞を受賞してミネソタの将来を背負うとまで言われたブリッジウォーターだったが、ワシントン・レッドスキンズからFAとなったカーク・カズンズがバイキングス移籍を決めるとすぐにお払い箱にされている。
元バイキングス番記者の『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロは信頼ある情報筋から、ブリッジウォーターのトレード価値上昇の情報に関する信憑性を確認した。
ペリセロによると、たとえ当時のデプスチャート上ではブラッドフォードがブリッジウォーターを上回っていたとしても、元ルイビル大学のスターQBであるブリッジウォーターが非接触型の練習で輝きを放っていることに驚きはないと伝えられたとのこと。
現地29日(火)に放送された『NFL Up to the Minute(NFLアップ・トゥー・ザ・ミニット)』の中でペリセロは「(先シーズンから)彼は非常に良い球を放っていた。チームメイトはブリッジウォーターの肩がケガをする以前よりも強くなっているように見えたとも語っていた」と伝えている。
バイキングスのヘッドコーチ(HC)マイク・ジマーは3月後半、膝の状態に対するドクターの見解と練習フィールドでブリッジウォーターが実際に見せたものとには相違があったと分析し、「彼にはまだもう少しリカバリーの期間が必要だ」とコメント。ブリッジウォーターの少額契約やジョシュ・マカウンとの再契約、大型新人ダーノルドの加入と相まって、ジマーHCのコメントはブリッジウォーターがジェッツで始動する前から膝の問題がそのキャリアを阻害するかのような印象を落としていた。
故障前のブリッジウォーターとの豊富な経験に基づいてバイキングスがブリッジウォーターに相当な期待を寄せていたのは当然だが、ジェッツがトレーニングキャンプを行うフローハム・パークにはそもそもそのような基盤がない。ブリッジウォーターは全くのゼロからスタートし、そのプロセスの中でアピールするしかないのだ。
皮肉な話だが、トレーニングキャンプへと向かうブリッジウォーターにトレードのうわさは絶えず、先発QBを失う可能性のあるチームにとっての主力候補としては再びブラッドフォートがライバルになりそうだ。
「(ブリッジウォーターの)トレードは十分あり得る」と説明したペリセロは続けて、「ジェッツは50万ドル(約5,400万円)のボーナスを支払っただけ。ブリッジウォーターのベースサラリーは年俸550万ドル(約6億円)だ」と述べた。
現役引退の可能性がささやかれるほどの故障を抱える前まで、ブリッジウォーターは印象的なパス精度やタッチ、アドリブ力、そして、当時の評判をさらに上回る遠投力を披露していた。しかしながら、故障以降にNFLの試合で投じたパスはわずか2回だ。
先行きが不透明な選手のためにドラフト指名権を差し出す者はいるのだろうか?
プレシーズンにディフェンス陣からのプレッシャーがかかる中での動きを見るまでは、ブリッジウォーターに興味を持つチームもおいしそうなトレード話に釣られることはなさそうだ。
【S】