ブラウンズがさらなる補強、元イーグルスのLBケンドリックスと1年契約
2018年06月04日(月) 12:04クリーブランド・ブラウンズのジェネラルマネジャー(GM)ジョン・ドーシーがロースター改革を続けている。今回はよく馴染みのあるポジションの補強だった。
情報筋の話を元に『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートはブラウンズがラインバッカー(LB)のマイチョール・ケンドリックスと1年契約を結んだと報じている。
サラリーキャップ問題の余波から、フィラデルフィア・イーグスは600万ドル(約6億5,000万円)を蓄えるために元スーパーボウル優勝メンバーであるケンドリックスを現地6月1日(金)以降でカットした。ケンドリックスはジェイミー・コリンズをLB陣の軸として起用する意向だったブラウンズに加入している。ブラウンズLB陣にはコリンズの他にジョー・ショーベルトやクリスチャン・カークシーしかおらず、結局のところ駒不足の感が否めなかったのだ。
もともとは代替選手としてプロボウルに選出されたショーベルトだが、ブラウンズのディフェンスがフィールド上で過ごした時間が多い中でタックルを積み上げている。ブラウンズで重要な役目を果たしたその活躍を否定するわけではないが、2017年シーズンにショーベルトと共にカークシーもタックル数リーグトップ5入りしたのは偶然ではないはずだ。
ブラウンズはケンドリックス加入のためにロースターをいじってはおらず、むしろ先発候補の1選手として競わせるために獲得している。ケンドリックスがその立ち位置に納得し、必要とされる努力を行った場合、守備コーディネーター(DC)であるグレッグ・ウィリアムズは無数の選択肢の中からケンドリックスを活用する術を見出すことができる。
ケンドリックスは“マイク” (ミドルLBの愛称)にフィットしそうだが、コリンズが先発候補とされるケンドリックスの本来のポジション“サム” (ストロングサイド側のLBの愛称)での出場もありそうだ。ランに対するスキルに加えてパスカバレージの能力を持ち合わせたケンドリックスの場合はどちらのポジションであってもチームに良い影響を与えるだろう。さらに、コリンズには2017年シーズン途中で故障離脱した過去があることからも、ケンドリックスには緊急時の重要な役割が任される可能性もある。
ケンドリックスは昨夏、イーグルスに対して自分をトレードに出すよう要求したものの、チームにとって価値のある選手と判断されてそれを拒否されていた。そんな27歳の彼ケンドリックスはまさに全盛期の真っただ中にいる。過去6シーズンを通じて毎度12試合以上に出場してきたケンドリックスはこの間にタックル459回、サック14回、パスディフェンス26回、そして、インターセプト3回を積み上げた。ケンドリックスはまた、ファンブルフォースド6回もマークしており、イーグルスのスーパーボウル出場時にはフロントセブンの一角を担い、チームのチャンピオンシップ制覇に貢献した選手だ。
ケンドリックスはNFL最高峰のチームから依然として底辺とされるブラウンズに向かうことになるが、そのブラウンズは今オフシーズン中に人員を大量に入れ替え、相当なチーム改善を行っている。フリーエージェント(FA)やトレードに関して言えば、ラインバッカーはドーシーGMがこのオフシーズンに手をつけていなかった最後のポジションだ。
ケンドリックスとコリンズやカークシー、または、ローテーションでショーベルトを併用することにより、ブラウンズはここ数年で初めて相手にとって脅威となるLB陣を形成することができたかもしれない。
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