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無言で社会問題の是正を訴えるイーグルスSジェンキンス

2018年06月07日(木) 13:27

フィラデルフィア・イーグルスのマルコム・ジェンキンス【AP Photo/Eric Gay】

ホワイトハウスがフィラデルフィア・イーグルスのスーパーボウル制覇を祝うイベントをキャンセルした2日後、イーグルスのセーフティ(S)マルコム・ジェンキンスは現地6日(水)のメディアセッションの場で、社会に蔓延する不正義問題に対して再び疑問を投げかけた。

記者の前に無言で立ったジェンキンスはプレーヤーコミュニティの機能と社会的不平等のさまざまな例を黒いペンで記した複数枚の白画用紙を掲げることによって記者からの質問に応えた。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロは『Twitter(ツイッター)』でこのように伝えている。

「マルコム・ジェンキンスは今日、複数枚のメッセージボードを掲げることによって質問に応えた。彼は言葉を発さなかった。こちらがそれだ」

「これはマルコム・ジェンキンスと記者とのやりとりの一部だ」

選手連合の共同設立者でもあるジェンキンスは5日に予定されていた第52回スーパーボウル制覇を祝うイベントをキャンセルしたホワイトハウスの決定を批判し、ツイッターを通じてこのようにも語っていた。

「公共の面前に出て、改善を求めて戦うことはそう簡単なことではない。自分たちの思いに共感していない人々や人種が関連した問題について厳しい会話を行うこと、また、ポジティブな変化の生み出し方について意見が合わない人々と会うのは難しいこと。たとえみんなに好かれるものではないにしろ、“真実”のために立ち上がる勇気が必要とされている」

ホワイトハウスはイーグルスが“ごく少数の”選手団をセレモニーに参加させる意向だと知った後でキャンセルという決断に至ったのだという。イーグルスは先週にスケジュールの再調整を試みたものの、チームによって提示された日程はドナルド・トランプ大統領のスケジュールと衝突したようだ。

刑事司法と経済改革を提唱しながら警察とコミュニティの関係改善に向けて働きかけた際、クリス・ロングやイーグルスの他のチームメイトと共に選手連合の中で中心的役割を果たしたのがジェンキンスだ。

ジェンキンスと多くのNFL選手は先月、刑事司法改革の懸念事項に取り組むためにカリフォルニア州オークランドでフォーラムを開催した。これは選手連合がこの問題を議題に開く最少で4回のフォーラムのうちの1回だ。

選手に悪影響を与える社会不平等問題に関連した懸念に対処するため、NFLチーム各オーナーとリーグオフィシャルが開くミーティングに加え、選手連合のメンバーは警察との連携や連邦議会の議員との会合、さらには国中の人々に影響を及ぼす問題解決に取り組むためにコミュニティのリーダーのもとを訪問している。

ジェンキンスは前年度スーパーボウル期間中、記者に対してこのように語っていた。

「命はこの試合よりずっと尊いものだ」

ジェンキンスはツイッターで今回のメッセージを写真で投稿した。

「あなたたちは耳を傾けていない」

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