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イーグルスの現行契約を全うするDEグラハム

2018年06月11日(月) 11:35

フィラデルフィア・イーグルスのブランドン・グラハム【AP Photo/Eric Gay】

スポーツ界ではチャンピオンシップ出場の魅力が選手のキャリアを変えてしまうことが頻繁(ひんぱん)にある。また、キープレーヤーにとってはさもなければ移籍をも考慮する状況において、チーム残留を選ぶ材料ともなるのだ。

ブランドン・グラハムの状況がまさにこれにあたる。現地7日(木)、4年2,600万ドル(約28億円)の契約最終年を迎えたベテランディフェンシブエンド(DE)グラハムが多くを語った。

『Philly.com(フィリーズ.com)』のジェフ・マクレーンによれば「誰でも常に安全でありたい。だが、自分は何だって平気。結果として次の週に(スーパーボウルの)リングを手にすることができるんだから」と述べたグラハムは続けて、「俺たちのようなチームでなかったら、そうだな、安全性を求めに行こうと言うかもしれない。だけど、俺たちは再び同じ事をやれるだけのチームなんだ」と話したという。

「どのような形であれ、(契約を)交わすことになる。自分は30歳だし、これがビジネスであることも理解している。ただ、自分はチームに対してまだやり続けるための底力があることを証明する必要がある」

最近からすると結果を残したシーズン後に周囲から認められたベテラン選手が現行契約を受け入れるのは少し珍しくもある。特に30代ともなればなおさらだろう。快活な若きプレーヤーが新人契約を大幅に改善させることに必死になる昨今、このような状況が最終的に契約留保となるのは以前よりも目に見えている。

成績の観点からすればたとえ30歳という年齢だとしても、グラハムは新契約に向けて十分な活躍をしていると言えよう。先シーズンはキャリアハイとなる9.5サック、47タックル、2ファンブルフォースドを記録した。だが、今オフシーズンに足首の手術を受けたグラハムは戦力が十分なイーグルスでもう1つのタイトル獲得を目指し、現行契約の最終年を自身の実力証明のために利用することを選んでいる。

2017年度と同様の結果を残した場合、グラハムは新契約で同年代の選手の平均とされる(新チームメイトのマイケル・ベネットやマイアミ・ドルフィンズのDEキャメロン・ウェイクも年俸900万ドル以上を受け取っている)年俸900万ドル(約9億8,000万円)以上の上方修正を希望するはずだ。現在のキャップ状況を考慮するとその修正がフィラデルフィア内で起きる可能性は低そうだが、来オフシーズン中には再びその議論が交わされることになるだろう。先日のマイケル・ケンドリックス放出のニュースも見過ごすわけにはいかない。

グラハムは次のように明かした。

「ここに長い間いるけれど、一緒に過ごした選手がどこかに行ってしまうのを見るのは嫌いだ。ケンドリックスがこのチームに全てを捧げていたことも知っている。いつだって、ビジネスなんだ。それは分かっている。一緒にプレーするのが大好きだった仲間がたくさんチームを去るのを見てきた」

このように述べる一方、グラハムはフィラデルフィアで最後の1シーズンとなるかもしれない今季、負け犬からチャンピオンへと変貌を遂げたイーグルスでのフィールド復帰を目指し奮闘している。

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