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ペイトリオッツQBブレイディ、「もうじき引退の時が来る」

2018年06月18日(月) 12:17

ニューイングランド・ペイトリオッツのトム・ブレイディ【AP Photo/Chris O'Meara】

今週末、米国ケーブルチャンネル番組『OWN(オプラ・ウィンフリー・ネットワーク)』が放送したオプラ・ウィンフリーによる多岐にわたるインビューの中で、ニューイングランド・ペイトリオッツのクオーターバック(QB)トム・ブレイディは自身の引退やフットボールを止める日について言及したものの、実際的なキャリアの幕引きに関するタイムテーブルについては明らかにしなかった。

40歳のブレイディはウィンフリーに対し、「今まで以上にそれを考えている。まだ先の話というよりも、もうじき確実に“終わり”が来るのが分かってきた」と明かしている。

この気になるブレイディの返答は、自身がかつて語っていた45歳まで現役を続けるといった言葉や、昨年のロバート・クラフトオーナーによる“あと6、7年は大丈夫”といった言葉とはいささかそぐわないものだ。

その“終わり”が43歳、あるいは、45歳のシーズンのことを指すのかと尋ねたウィンフリーに対し、ブレイディはこのように説明している。

「フットボールが好きな限りね。また、トレーニングや準備が好きで、結果を求めたいと思う限りは。けれど、ドキュメンタリー(”Tom vs. Time/トム対タイム”)の中でも言い続けてきたように、自分の人生の中では他の物事も進んできているんだ。愛する(3人の)子供もいるし、彼らの試合を見に行ってやれないような父親にはなりたくない。僕の人生に彼らはすばらしい価値観をもたらしてくれた。子供たちはずっと自分を見ていてほしいからね。そこにいたいし、彼らのための時間を取りたい。いつか、彼らがその頃を振り返ってこう言うかもしれないじゃないか。“お父さんは、あんまり構ってくれなかったんだ”ってね」

これらのコメントや“トム対タイム”の終わりからも分かるように、ブレイディは身体が動く限りプレーしたい気持ちと、家族のために時間を使いたいと思う気持ちの狭間で揺れている。

ブレイディの妻、ジゼル・ブンチェンがドキュメンタリーシリーズのフィナーレで「たくさんの意味で、ここ2年間の彼はとても難しい問題を背負ってきました。彼は私に“それが本当に大好きなんだ。そこに赴き、皆に認められ、楽しみたい”と伝えてきたの」と語った言葉は巷で話題となった。

この言葉が、ブレイディはペイトリオッツの文化を好んでおらず、引退を考えている兆候だと解釈されたのだ。しかし、ブレイディはウィンフリーに対してヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチックとの作業に問題があることを否定し、「というよりも、彼のことは大好きだ。彼は信じられないほどすばらしいコーチだし、自分にとってはメンターだよ。彼はいろいろなところで僕の背中を押してくれる。ほぼ全部だけど、自分たちは絶対にすべてにおいて意見を違える。でも、それが信頼関係ってものだろう」とコメントしている。

残り何シーズンのプレー予定があるのかを説明することはなかったが、ウィンフリーとの会話中のブレイディにはフットボールに関し、まだ登らなくてはならない山があることを確信している様子が見受けられた。

自身8度目のスーパーボウルから4カ月後、「まだ、それに対して本気だと思う。今もまだ取り組み続けているし、成すべきものがまだある気がしているんだ」と語ったブレイディは続けてこのようにも述べていた。

「もっと良くなれると思うし、パーセンテージも上回れると信じている。長い事プレーしてきたんだ。“おい君、俺はちょっと別人になってくるね”といった感じではなく、自分は自分のまま。僕の強みは分かっているし、弱点もある程度は克服してきた。そこに行って戦い続けたいし、22歳の若い子たちとプレーしたいと思っている。それって本当に楽しいことじゃないか」

今年8月に41歳となるブレイディ。41歳を迎えて10試合以上に先発したQBは歴史上、ブレット・ファーブ、ビニー・テスタバーディ、ウォーレン・ムーン(2回)の3人しかいないが、それぞれが所属したチームはいずれもポストシーズンに進めなかった。

しかしながら、ブレイディは他の40代とは違う。先シーズンのブレイディはリーグベストの4,577ヤード、32タッチダウン、そして、インターセプトはわずか8回の記録を残してシーズンMVPを受賞し、6度目のスーパ―ボウル制覇までもあと一歩のところまで来ていたのだ。

ブレイディの引退はいずれ、自身の言葉によって語られるのだろう。あの超人気司会者のウィンフリーでさえ、将来の殿堂入り選手からその答えを聞き出すことはできなかったのだから。

【S】