ニュース

ペイトリオッツQBブレイディ、インスタグラムで引退時期を示唆!?

2018年06月21日(木) 10:03

ニューイングランド・ペイトリオッツのトム・ブレイディ【AP Photo/Matt Slocum】

NFLのカレンダー的に言えば、今はちょうど閑散期と言える。

NFLの選手やコーチたちが夏休みに入る中、ファンやメディアは日々のフットボール欲求を満たそうと何か良いネタがないかとあれこれ探し回っている。

番記者たちの場合、残り5週間の空白期間に彩(いろどり)を添えるべく眠気も吹き飛ばすようなネタに出くわそうと、過去の話に出てきた発言やメモを読みあさる。

内部関係者はトレーニングキャンプに持ち込まれるような大きなネタに軽く触れながら、それに付随して取引情報などを小出しにしてくる。

残されたファンは休暇中の選手による『Twitter(ツイッター)』、『Facebook(フェイスブック)』、そして『Instagram(インスタグラム)』といったソーシャルメディアの投稿をチェックし続けるか、あるいは、休暇を使って慈善活動に励むかのどちらかだ。

ソーシャルメディアをNFLオフシーズン中の詮索作業と結びつけた結果、ファンやメディアが選手やチームのアカウントの中からかなり珍しい掘り出し物を見つけ出すこともある。それは丁寧に、冷静に、骨を崩さないようブラッシングしながら何百万年前の化石を発掘する考古学者の作業とも通ずるものがある。

現地19日(火)、彼らのようないわば、ソーシャルメディアの研究者たちがとある大きなネタを発見したようだ。

超人気司会者オプラ・ウィンフリーとのインタビューの中、ニューイングランド・ペイトリオッツのクオーターバック(QB)トム・ブレイディが触れた引退についての発言――“後々というよりは近い将来”――は先週末に大きな話題を呼んだ。

当然ながら、そのニュースを知った全員が“近い将来”とはいつのことを指すのか、来週であるのか、今シーズン終了後なのか、来シーズン後、18カ月後、199日後、650日後、2年後、はたまた、3年後か、と疑問に思ったはずだ。

ソーシャルメディアの扱いが上手なブレイディはその憶測を伝えた『ESPN』のインスタグラムへの投稿に、シャレたコメントを残している。

当初からの引退時期についてのタイムラインに変更がないことを示唆したブレイディは、“見猿聞か猿言わ猿(見ざる聞かざる言わざる)”表す3匹の猿の絵文字と共にスペイン語で「Cuarenta y cinco(クアレンタ・イ・シンコ)」とつづった。


(ブレイディのコメントはハイライト部分)

馴染みのない方にはピンと来ないだろうが、これはスペイン語で数字の“45”を意味している。

つまり、この発言は以前からブレイディ自身が主張していた45歳まで現役を続けるという意志ともマッチするのだ。

ブレイディのコメントは今オフシーズンに浮上していた最終的な引退時期に関する今までとは違ったトーンのうわさを鎮静化させる狙いがあったのかもしれない。あるいは、ボストンのメディアが反応すると予想したブレイディが、ただからかってみせただけなのかもしれない。敏感に反応したソーシャルメディアの運営責任者らが負けじと、今日のブレイディを狙っている可能性はある。

ウィンフリーとのインタビューでブレイディはどの程度現役を続けるかについて、一番に考慮するのは子供たちのことだと語っていた。

「フットボールが好きな限り、さ。それと、トレーニングや準備が好きで、結果を求めたいと思う限りはね。でも、あのドキュメンタリー(”Tom vs. Time/トムと時間の勝負”)の中でも言い続けてきたように、自分の人生の中では他の物事も進んできているんだ。愛する(3人の)子供もいるし、彼らの試合を見に行ってやれないような父親にはなりたくない。僕の人生に彼らは素晴らしい価値観をもたらしてくれた。子供たちはずっと自分を見ていてほしいからね。そこにいたいし、彼らのための時間を取りたい。いつか、その頃を振り返って彼らがこう言うかもしれないじゃないか。“お父さんは、あんまり構ってくれなかったんだ”ってね」

今年8月3日(金)に41歳となるブレイディ。もし45歳となるシーズンまで本当に現役を続行するならば、彼にはあと5年が残されている。

ブレイディはキャリアを通じて初めて終わりが近いことを認めている。1年だろうが、5年後だろうが、その日が来ることを思い悩むのではなく、史上最高とされるQBの一挙手一投足を目にすること楽しむべきなのはすべての人々が理解していることだろう。

【S】