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チャージャーズオーナーのスパノスが95歳で他界

2018年10月10日(水) 13:56

1997年のアレックス・スパノス【AP Photo/Ben Margot, File】

スパノスファミリーの長がこの世を去った。

ロサンゼルス・チャージャーズは現地9日(火)の午前、アレックス・スパノスが他界したことを発表した。95歳だった。

チームは長年のオーナーを務めたスパノスについて「非常に忠誠心が強く、競争好きで、情熱的、そして、愛嬌のある人物――それがアレックス・スパノスだった。“自分を信じることだ。そう思わないことには何もできない” とは、かつてアレックスがよく言っていた言葉だ」と述べている。

ギリシャ人移民の両親の下、1923年に生まれたスパノスは1984年にサンディエゴ・チャージャーズの大多数の株式を購入するまでの富を手に入れ、その後の数十年を通して残りのほとんどの株式を買い占めた。

チャージャーズのオーナーとして活発に活動していた頃のスパノスは1991年の事業拡大・再編委員会など、さまざまな委員会に参加していた。スパノスは第32回スーパーボウル(1998年)、第37回スーパーボウル(2003年)のサンディエゴ開催を決定した際にもっとも影響を与えた人物であった。

スパノスはチームをより立派なフランチャイズにしようと熱心に働き、1994年にはチームを第29回スーパーボウルへと導いている。

敏腕ビジネスマンや、慈善活動のリーダーとして知られるスパノスは、コミュニティ内で助けを必要とする数多くの人々を今も支援する『The Chargers Community Foundation(ザ・チャージャーズ・コミュニティ・ファンデーション)』の創始者でもある。

スパノスの妻であるファイエも今年の8月に92歳でこの世を去っていた。スパノス夫妻には4人の子供がおり、15人の孫、そして、12人のひ孫がいる。

NFLコミッショナーのロジャー・グッデルがスパノスの訃報に接してこのような言葉を贈った。

「アレックス・スパノスはギリシャ人の両親の息子として、当初からの謙虚さと疲れ知らずの労働により、アメリカでのサクセスストーリーを作り上げた。アレックスはこの国において最も成功したビジネスマンの1人となったが、自身のルーツを忘れることはなく、他の人の力となり続けた。約70年間を一緒に過ごした最愛の妻であるファイエと共に、アレックスの慈悲と献身はカリフォルニアとその他地域のさまざまな人の元に行き届いている。すばらしい友人である彼は、決して忘れることのできないようなインパクトをNFLに残してくれた。われわれはアレックスの優しさ、キャラクター、フットボールに対する情熱、そして、彼の人生からたくさんの利益を受けた。NFL全体を代表し、われわれはディーンやスパノス家全員、そして、チャージャーズ組織に対し、謹んでお悔やみを申させていただきたい」

1994年からチャージャーズの社長を務めているスパノスの息子、ディーンがそのままオーナー業務と取締役会の会長を務め、スパノスの孫であるA.G.とジョンは2015年から家族経営のチームで日常管理業務を引き継いでいる。

チャージャーズは『Twitter(ツイッター)』に次のように投稿した。

「アレックス・スパノスの訃報に対するジョージ・W・ブッシュ元大統領の声明文」

「ローラと私はみんなから愛され、一家の支柱であったアレックス・スパノスの訃報に接し、スパノス家の方々に深くお悔やみ申し上げる。アレックスは本当に特別な人物だった。ギリシャ人移民のご両親の下、カリフォルニアで生まれた彼は子供の頃から家族のパン屋で働き、第二次世界大戦中はB-29の後部砲撃手の任務を負った。カリフォルニアに戻ってからはサンドウィッチ販売に従事した。その後に開始した不動産業が大成功を収めてアメリカンドリームを実現させたのだ。彼はすばらしい1人の市民であり、友人だ。ブッシュ家は彼のことをずっと忘れないだろう。 ジョージ・W・ブッシュ」

この他にも、ワシントン・レッドスキンズのオーナーやアリゾナ・カーディナルスの社長など、各方面から無数のメッセージがスパノス一家の元に届けられている。

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