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「WRブラウンはコミュニケーション不足」とスティーラーズのトムリンHC

2019年01月03日(木) 10:52


ピッツバーグ・スティーラーズのアントニオ・ブラウン【AP Photo/Don Wright】

ピッツバーグ・スティーラーズのヘッドコーチ(HC)マイク・トムリンはレギュラーシーズン最終戦となったシンシナティ・ベンガルズ戦の前からワイドレシーバー(WR)アントニオ・ブラウンと会話していないようだ。

トムリンHCが直接的にブラウンがチームメイトを見捨てたと表現することはなかったものの、シーズン第17週を前にブラウンとコミュニケーションが取れなかったことでチームに影響していたのは明らかだった。それもあってスティーラーズはプレーオフ争いから完全に離脱する結果となった。

トムリンHCは「一番苦しい時期について言えば、それはわれわれが試合に勝ち、さらには他チームが崩れてくれることでトーナメントに残れる時だろう。その際にコミュニケーションが取れない選手がいるのは明らかな問題だ・・・議論すべき真の要素であることは確かである」と明かした。

ブラウンがチームメイトを見捨てたかどうかと問われた際、トムリンHCは次のように返答していた。

「好きなように表現してくれて構わない。自然な流れでいろいろな憶測が可能となってしまうようなコミュニケーション不足は確かにあった。つまり、われわれが重要な試合に挑む中で、彼は十分なコミュニケーションを取らず、そのパフォーマンスを披露する前も長いこと姿を消しており、それゆえに、われわれは試合に向けてさまざまな判断を下す必要があった。何が起こったかについては非常にクリアにしてきたはずだ。コミュニケーションの程度や当然の出来事として、そちら側が好きなように解釈できる問題があるのは間違いない」

現地12月30日(日)に行われた試合から除外され、現在故障中とされるブラウンの近況を明確にしようともするトムリンHCは、先週水曜日にブラウンが下半身について問題を訴えていたことを明かし、とりわけ、膝の痛みだけでなく、足全体や足首にも問題があると申告していたようだ。ベテランのブラウンには療養日が与えられたが、チームにとってこの動きは特例だったようだ。金曜日になってもブラウンはまだ膝の痛みを主張していたため、トムリンHCは彼に対してMRI検査の受診を勧め、その後は膝を休めるために直接自宅に帰るように指示していた。トムリンHCによると、ブラウンがMRI検査を受けることはなかったという。

同日夜にトムリンHCがブラウンと会話することはかなわなかった。その翌朝、ウオークスルーの練習にブラウンが姿を見せなかったため、チームは彼を試合から除外することを決定した。ブラウンの代理人を務めるドリュー・ローゼンホースは土曜朝、ブラウンがプレー可能だと伝えるためヘッドコーチに電話を入れたものの、トムリンHCはその判断がフィジカル面での問題によって下されたわけではないと伝えていたようだ。

試合直前にブラウンと会話し、インアクティブ登録することについて議論したと明かしたトムリンHCは、ブラウンが試合のハーフタイム中にはスタジアムを出て行ってしまったと聞いていたが、それを確認することはできなかったとも明かしていた。

トムリンHCはこの現状を“コミュニケーション不足”の問題と表現している。

今後、このブラウンの状況についてどのように対処していくのか、トムリンHCはまだその詳細については語っておらず、制裁に関しては内々だけで執り行われるだろうとも明かしている。これはプレーオフ進出を逃したスティーラーズには今回の状況をすぐさま整理する緊急性がさほどないことが理由のようだ。

「日曜日にスタジアム内で行ったミーティングで会って以来、彼とは話をしていない。これについては対処しなくてはならないことは明らかだ。彼との問題とこの状況については取り組んでいくつもりだ。かなりはっきり言って、われわれは情報収集を行って思うままにすべての時間を使うことを願っている。彼と彼の状況にとっては何よりもまず時間が重要なのだと思っていた。今週中にはなんとかしようという希望も抱いていたが、そうはいかないようだ。結局、情報を収集してまでそれについて対処することはないからだ。これまですべての状況下でしてきたように問題を適切に処理していく。われわれは内部だけでの問題解決を図る。詳細については後に判明するだろう。しかし、今週から試合がないので、現時点ではまだその動きは始まっていない」

一方で、日曜日の試合前からスティーラーズと会話していないブラウンは、水曜日に行われていたトムリンHCの記者会見中に、『Twitter(ツイッター)』で新年の挨拶と現状に関するメッセージを投稿していた。

「自分の選択肢は他の人々や状況によって制限されているように思われるかもしれない。しかし、自分の態度は自分自信がコントロールしていると言い聞かせている。私は神が与えてくれた天からの贈り物である自由な意志を行使し、創造性やバイタリティ、そして、本当の意味で自分を定義するすべてのものごとを表現するため、自分の人生を自らの責任の下で生きる選択を採っている」

「あけましておめでとう。すばらしい年になりますように」

チームがどのようにブラウンによるフィールド外の問題について対処するかはチーム全体の身動きを取りづらくするはずだ。

水曜日、主に一般的な問題についてだけを語ったトムリンHCは、今後に試合がないことから緊急性の無さを強調し、ブラウンとのコミュニケーション不足を具体的な発言がない理由としていた。

トムリンHCは「トレードを考えることはない」と伝え、ブラウンが正式にピッツバーグから放出するよう訴えてきたことはないとも指摘している。

「先週にも言ったように、状況はそのままた。多岐に渡る多くの物事を経験してきたが、そこに十分なコミュニケーションがあったわけではない。当然、われわれは彼からのコミュニケーション不足や、特に、彼が試合前の土曜日に欠席したことについては非常に重く受け止めている。適切な処分が必要だろう。私がトレードやそのような物事について考えることはない。彼からの、そのようなリクエストも正式に受け取っていない。だから、制裁などに関してどのようなものにするかをまだ思索するつもりはない。ただし、それが行われることは間違いなく、明白な理由があるゆえに、それが実行される必要はある」

あまりに事態が混乱状態に陥った場合には、どこかの時点でブラウンに見切りをつける可能性はあるかと問われたトムリンHCは「それは確かだ」と答えていた。

チームがすでにリーグトップクラスのWRと称されるブラウンに対する我慢の限界点に達しているかどうかはまだ分からない。

プレーオフ進出を逃し、スティーラーズの選手たちがチームの結束力や絆について疑問を抱く中、トムリンHCは「私がこのチーム文化のすべての側面を成長させ、発展させる。それがリーダーシップだ」と語り、ロッカールーム内での複数の問題に関する責任を取ることを明言した。

2019年にはチーム内の変化を期待しているとも述べたトムリンHCだったが、その対象者や詳細について触れることはなかった。

ここ1年を通じてブラウンが悪化させてきた状況を考慮した上で、彼によって個人的な悪影響を受けたかと問われたトムリンHCはこのように述べている。

「落胆はある。それは否定しない。ただ、個人的なレベルで言えば、私は長い時間をかけ、それらの問題やこの役職が伴う難題に関しては個人的な感情を持ち込まない方法を学んできた。それに関してそんなに長い時間を使うことはない。そうはならないだろう。私はリーダーとして従事しており、ここの人々や問題について集中すべきなんだ。チームが最高の力を発揮できるように自分たち自身を配置している。だからなのだが、その質問をされた際にはどう答えるべきか分からず、少しためらってしまった。その問題についてだらだらと取り組むつもりはない」

ブラウン問題についてはオフシーズンをフルに使えるゆえに、今後もトムリンHCにはブラウンの今後に関する怒涛の質問が繰り返されることになるだろう。

【S】