ニュース

「2019年はマニングの先発にこだわらない」と、ジャイアンツGMゲトルマン

2019年01月03日(木) 20:15

ニューヨーク・ジャイアンツのイーライ・マニング【AP Photo/Nick Wass】

ニューヨーク・ジャイアンツにとってまたしても不完全燃焼に終わったシーズンは、チームが2019年にクオーターバック(QB)イーライ・マニングを絶対的な先発QBとして見ないことをも意味しているようだ。

現地3日(水)、ジャイアンツジェネラルマネジャー(GM)デイブ・ゲトルマンは報道陣に対し、マニングが来季もチームの先発QBを務めるかどうかについては多くを語らなかった。この理由としてゲトルマンGMはまだ2018年シーズンについて分析している段階だからだと明かしている。

チームが2019年もマニングをチームにとどめることにこだわるかと問われたゲトルマンGMはこのように述べている。

「ニューヨーク・ジャイアンツにとって最大の利益となる判断を下そうと思っている。われわれはまだ(シーズンの)評価をしている段階だ。皆さんが今、その答えを欲していることは分かっているけれどね。ただ、正直に言うと昨日は結論に至らなかった。(中略)目が充血するまで時間をかけて映像を見てみるつもりだ。それが私の仕事だからね。私のこだわりは、このチームを最高のチームに仕上げることであり、イーライがQBとしてプレーしている時がそうなるなら、そういうことだ」

「われわれはすべてを評価していく。われわれにはあらゆる可能性があるということ」

ゲトルマンは現地12月31日(月)にマニングと今シーズンについてざっくばらんに話し合ったことを明かした。ゲトルマンGMは具体的には何について議論したかは述べなかったものの、会話の発起人はマニングの方だったことは明かしている。ゲトルマンGMは以前、マニングに対して彼の質問には正直な答えを返したと明かし、「われわれは持続可能な成功を求めようとしている。それには冷酷な正直さも伴い、難しい判断も必要となる。・・・上に呼ばれたから来たというわけではなく、単に私と話をしに来たという感じだった」とも発言していた。

プロ15年目を終えたマニングは現行契約が1年残っており、2019年のベースサラリーは1,150万ドル(約12億3,000万円)となっている。ベテランQBのマニングは先週、ジャイアンツとは再契約に関して話しておらず、お互いに契約延長について議論していないことを報道陣に明かしている。この発言によって、ニューヨークでのマニングの将来が危機的状況にあるのではないかと憶測が飛び交い始めた。

3日、地方ラジオ局『WFAN』からチームに戻るとして、それが分かる時期はいつになるのかと聞かれたマニングは「分からない。今後、ゲトルマンさんと話し合ってみるつもりだ。そして、何がベストで、なにが必要なのかを見極めるつもりだ」と返答。

マニングはまた、ニューヨーク以外の土地でキャリアを継続することは「イメージできない」とも述べた一方で、プレーを継続する意志も明かしている。

「フットボールをプレーすることが大好きなんだ。このチームが好きだからプレーしたいんだ。より良いチームになるチャンスはあるはず。自分の状態も良い感じだ。スローできるし、まだNFLでQBを務めることはできる」

全体が低調だったNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区で抜きんでることができず、5勝11敗で終わったジャイアンツの無力さは穴の多いオフェンシブライン(OL)の背後で不安定なパフォーマンスを披露していたマニングにも責任があるだろう。スーパーボウルを2回制覇した際には高いスキルを見せたマニングだが、37歳となった彼は現在、チームにとっては先発を継続させるべきか、見切りをつけるべきかという議論の対象者となっており、この2年を通してその疑念を払しょくするためのパフォーマンスが必要とされてきた。

ゲトルマンGMはチームの先発としてマニングの起用にはこだわらないようだが、それでもマニングの才能に信頼を置いており、「彼はまだNFLでスロー可能だ。彼にはまだその力がある」とも語っていた。

ジャイアンツは不調だったものの、3勝13敗を記録した2017年シーズンよりは改善を見せていたことから、ゲトルマンGMはチームの方向性が間違っていないことを確認できたようだ。新人ランニングバック(RB)セイクワン・バークリーやワイドレシーバー(WR)オデル・ベッカムといったジャイアンツ攻撃陣の要が活躍し、彼らのプレーがフロントオフィスに楽観的な見方をキープできる理由を与えている。なお、ゲトルマンGMがベッカムを放出する気はないようで、「われわれは彼をトレードに出すためにオデルを獲ったわけじゃない」と語っていた。

ゲトルマンGMはチームには流れを大きく変化させる必要があること理解した一方で、彼は現在のチームに自信を持っているようでもある。同GMはジャイアンツを競争者にするためには変革が必要だとするものの、マニングが先発QBを務め続けることに関しては完全に納得していなくとも、チーム全体の総入れ替えが必要であるとは考えていないようだ。

最後にゲトルマンGMは次のように述べていた。

「“再建”という言葉が単純に好きではない。前に進んでいくだけだし、新たに構築していくだけだ。それこそわれわれが本当にここで実行していることである。われわれはタレントをたくさん保持できるように努めている。・・・敗北を喫することが大嫌いなんだ」

【S】