QBフラッコは市場で売れるとレイブンズHCハーボー
2019年01月07日(月) 10:43ボルティモア・レイブンズはもうラマー・ジャクソンのチームだ。
現地6日(日)、23対17で敗戦したロサンゼルス・チャージャーズとのワイルドカードゲームの序盤でジャクソンがかなりの苦戦を強いられていたにもかかわらず、レイブンズがこの新人QBと心中したことでそれは明白となったはずだ。後半の猛追はあったものの、ジャクソンは最初の10ポゼッションで合計2パスヤードのみを記録するにとどまっていた。
ヘッドコーチ(HC)のジョン・ハーボーは試合後、「これからはラマーがわれわれのQBだ。それに関しての疑念はない」と明かしている。
ハーボーHCはまた、ジョー・フラッコの今後について次のようにも明確に述べていた。
「ジョー・フラッコならこのリーグで本当にうまくやれるはずだ。ジョーならまだ活躍できる。今シーズン前半にそれは証明されていた。ジョーにとっては良い市場になるだろう。たくさんのチームがジョーを欲するのも、みんな彼の実力を理解しているからだ。自分はどんな場面でもジョーの味方になるつもりだ。彼は特別な存在。ジョー・フラッコはすばらしい才能を持っているし、人間的にも優れている。彼がレイブンズ史の中で最高のクオーターバックであったことに異論はないだろう。これは自分がジョーに肩入れしているからというわけではない。・・・彼なら心配いらないだろう」
フラッコの契約にはまだ3年が残っている。1,600万ドル(17億円4,000万円)のキャップヒットを受けるだろうレイブンズはフラッコを放出することによって1,050万ドル(11億4,000円)の節約が可能だ。
今シーズン、臀部(でんぶ)の負傷によってジャクソンとポジションを交代する前までのフラッコは、9試合に先発した。今季のフラッコはパス成功率61.2%(2013以降で最低)、1アテンプト平均は6.5ヤード、タッチダウン12回、インターセプト6回を記録していた。レイブンズはフラッコが先発時に4勝5敗、ジャクソンが先発時には6勝1敗の戦績を残している。
レイブンズでの11シーズンを通じ、フラッコはチームを7回プレーオフへと進出させてきた。2012年シーズンのプレーオフではチームをスーパーボウル制覇へと導き、自身もスーパーボウルMVPに選出される活躍を見せたベテランは、話題性のある選手の1人だ。ハーボーHCはフラッコについて次のようにも語っている。
「個人的にはジョーがいなくなって寂しくなるとは思っていない。今後もずっと彼とは連絡を取り続けるからね。ジョーとはこの先も友人であると確信している。すばらしい時間だった。ジョーとの1章という感じだった。自分の人生や、自分と自分の妻にとっても1つの章だった。・・・前にもここで言ったが、すべての終わりは始まりでもある。だからこそ、われわれはここからまた出発するんだ。終わりなどはなく、ただ始まりしかない。この先に何が起こるか見てみようじゃないか」
あと10日で34歳となるフラッコにはベテランQBやつなぎ役となるQBを探しているチームからのオファーがあるだろう。ジャガーズやマイアミ・ドルフィンズ、あるいは、ワシントン・レッドスキンズといったチームらが、徐々に衰えつつあるQBに対して数年間のプレー機会を与えるかもしれない。
健康な状態であればNFLの先発として活躍できる力がまだフラッコにはある。今後の大活躍は期待できないとしても、実力のあるベテランQBをチームに引き入れることを多数のチームが歓迎するだろう。しかしながら、ここ数年は平均的な成績しか残せず、複数のケガを負って試合を離脱してきたことが、彼らにフラッコへの高額契約の提示をためらわせている。最終的に、フラッコの市場はどの程度の数のチームがベテランQBのさらなる成長に賭けられるかにかかってくるだろう。
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