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ペイトリオッツはチーフスWRヒルを止めることができるか

2019年01月18日(金) 11:09

カンザスシティ・チーフスのタイリーク・ヒル【AP Photo/Ed Zurga】

前回、カンザスシティ・チーフスのタイリーク・ヒルがニューイングランド・ペイトリオッツと対戦した際、ペイトリオッツのディフェンス陣はヒルによって相当な苦戦を強いられていた。

チーフスのワイドレシーバー(WR)ヒルはキャリアを通じてペイトリオッツと2回対戦し、いずれの試合でも130ヤード超え、1回以上のレシービングタッチダウンを決めている。ヒルは次のような成績を残してきた。

2017年シーズン第1週:キャッチ7回、133レシーブヤード、レシービングタッチダウン1回

2018年シーズン第6週:キャッチ7回、142レシーブヤード、レシービングタッチダウン3回

ヒルは1970年以降にペイトリオッツが対戦した相手の中で最も1試合平均獲得ヤード数(137.5ヤード)が多い選手となっている。

抜群のスピードを誇るヒルはいずれのペイトリオッツ戦でも75ヤードのレシービングタッチダウンを記録している。過去10シーズンを通じて75ヤード以上のタッチダウンを8度記録しているヒルは同じ期間を通したNFLの最多記録(デショーン・ジャクソン)と並んでいる。また、過去5シーズンを通じて16度成功させた50ヤード以上のタッチダウン数は、この期間を通したNFL記録でもある(ジャクソンよりも4つ多い)。

ペイトリオッツもヒルのスピードを理解している。ペイトリオッツは前回、直接的にヒルのスピードを体感していたのだ。

現地15日(水)、ディフェンシブバック(DB)デビン・マコーティーは次のように語っていた。

「自分のベストを尽くすしかない。シーズン全体を通したプレーを何度だって繰り返しチェックできる。誰だってヒルの速さは知っている。スカウティングレポートにだって書いてあるし、ビデオを見ても分かる。だけど、彼はプレーメイクしてくるんだ。仲間の助けを得て走ることができる。認識の問題だね。ヒルがどこにいるかに気づくこと。彼がいろいろな場所でどのような動きをするのか、ビデオで研究することが必要だ。それでも、彼をナンバー1、2、3、バックフィールドなどに置いたり、フルスピードモードで走らせたり、彼がどこにいようともチーフスはすばらしい攻撃を展開してくる。チーフスのヒルの起用法はとても厄介だ。ただし、これはチーム全体の努力の話。彼をカバーしとけと誰か1人だけに言うことはできない。チーム全体で力を合わせ、彼がどこにいるのかを確認し、彼に対してはなるべく多くの人数でタックルすることになる」

地方紙『Boston Herald(ボストン・ヘラルド)』のケビン・ダフィーが指摘するように、ペイトリオッツは主にゾーンカバレージでのプレー時にヒルにやられている。ペイトリオッツはセーフティ(S)に執拗なマンカバレージをさせることで何とかヒルを食い止めてきた。

ただし、新人コーナーバック(CB)J.C.ジャクソンが信頼できるディフェンス面での武器として台頭してきたこともあり、今週末のペイトリオッツは対ヒル作戦に新たなオプションを手にしていると言えよう。

ヘッドコーチ(HC)のビル・ベリチックとペイトリオッツほど弱点のカバーがうまい集団はいないだろう。再戦の場合は特にそうだ。当然ながらヒルにも十分な警戒は払うが、ベリチックHCはアンディ・リードHCとチーフスが持つ武器がそれだけではないことも理解している。

ベリチックHCはヒルとトラビス・ケルスのコンビと相対する厳しさについてこのように語っていた。

「もちろんさ。彼らと対戦する相手がシーズンを通して苦心してきたことだ。だから、それを理解し、ラッシュとカバレージバランスを保ち、そして、そこでどのようにカバーするかだ。向こうには他にもたくさん良い選手がいる。つまり、それらにどのようにして対処するかを判断する必要がある。(クリス)コンリー、(サミー)ワトキンスなど・・・彼らのこともないがしろにはできない。彼らはすばらしい攻撃陣だ。名選手がそろっている。そして、アンディは相手守備陣に難しい判断をせざるを得ない状況に持っていくのがうまい。クオーターバック(QB)はそれに基づいて選択している。彼らを止めることは難しい。だからこそ彼らはリーグトップの得点数で、ヤード数、スコアリングもリーグ1位なんだ。彼らは本当に良いチームだ」

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