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ペイトリオッツCBマコーティー、全敗シーズンからスーパーボウル制覇へ

2019年02月05日(火) 12:01

ロサンゼルス・ラムズのブランディン・クックスとニューイングランド・ペイトリオッツのジェイソン・マコーティー【AP Photo/Lynne Sladky】

今シーズンに2008年以来初めて双子の兄弟と同じユニフォームを着たジェイソン・マコーティーは、現地3日(日)晩、デビン・マコーティーがすでに2度味わったことのある喜びをついに共有することができた。すなわち、ニューイングランド・ペイトリオッツの一員としてスーパーボウルを制覇するという喜びだ。

ジェイソンにとってここまでの道のりは平坦なものではなかった。プロキャリア開始からの9年間でポストシーズンを経験することはなく、2017年に至ってはこれ以上ないくらい低迷したシーズンを過ごしていたのだ。

テネシー・タイタンズで8シーズンを過ごしたジェイソンは2017年4月にタイタンズからリリースされた後、クリーブランド・ブラウンズと契約を交わした。コーナーバック(CB)としてブラウンズで14試合に先発したジェイソンは、この年、NFL史上、まだ2回しか記録されたことのない0勝16敗というシーズンを経験している。

2018年のフリーエージェント(FA)市場がオープンになると、ブラウンズはジェイソンにドラフト7巡目指名権を加えてペイトリオッツの6巡目指名権とトレードした。当初、これによる両チームへの影響はほぼないとされていた。しかしながら、ジェイソンが兄弟と再会することになったこのトレードは、ペイトリオッツがロサンゼルス・ラムズと対決し、13対3で勝利した第53回スーパーボウルで絶大なる意味を持っていたのだ。

ジェイソンはスーパーボウル制覇後、『NFL Network(NFLネットワーク)』に対して次のようにコメントしている。

「こんなビジョンが自分にあったかどうかさえ分からない。去年はクリーブランドで1年を過ごした。ゲームでは1度も勝てなかった。神様に感謝だ。2018年から2019年にかけたシーズンの後、まさか自分がここに座っているなんて想像もできなかったよ。デヴ(デビン)が去年の3月、ビル(ベリチックヘッドコーチ)に“1人のマコーティーより2人のマコーティーの方が強い”とメッセージを送っていたそうだ。今晩はビルもそう思ってくれるだろうね。それについてはとてもハッピーだ」

初めてとなるスーパーボウルの舞台で、ジェイソンは光り輝くディフェンシブプレーを披露した。

ラムズが3点差を追いかけていた第3クオーター、ラムズのクォーターバック(QB)ジャレッド・ゴフがハンドオフをフェイクし、ワイドレシーバー(WR)ブランディン・クックスはエンドゾーンでフリーになっていた。エンドゾーンの後方でパスキャッチの態勢に入り、クックスがボールをキャッチしたかと思われた瞬間にヒットしたのが、フィールドの逆サイドにいたジェイソンだ。ゴフが遅れて放ったロングボールは滞空時間が長く、そのおかげでジェイソンはなんとかカバーに間に合った。本来ならタッチダウンになっていただろうこのパスはインコンプリートとなり、ラムズはフィールドゴールアテンプトを余儀なくされた。第53回スーパーボウルで唯一ラムズが得点したのがこの場面だ。

デビンの方も、その瞬間を目の当たりにするまでの兄弟の旅路について思うことが山ほどあったようだ。

『The Providence Journal(ザ・プロビンシャル・ジャーナル)』に「本当に超興奮したさ」と語り始めたデビンは続けてこのように述べている。

「謙虚にやって来たあいつは、開口一番に“お前が自分のために作ってくれた役目はなんだってやるつもりだ。チームの一員になりたい”と言ってきた。分かると思うが、 “あいつは活躍できるのか?”、“あいつは使えないのでは?”という感じでトレーニングキャンプが始まったんだ。1試合目は6プレーだったが、残りは全試合に先発していた。ジェイソンはディープもインサイドも、アウトサイドもタイトエンド(TE)やワイドレシーバー(WR)のカバーもしていた。あいつは正真正銘のペイトリオットガイになっていたね。本当になんでもこなしてくれる便利屋だった。アトランタに着いて以降、ジェイソンの存在に刺激を受けたし、モチベーションにつながっていた気がする。良い考え方を持ちつつ、この旅のすべてを楽しんでいたよ」

最高のふたりはやはり同じようなことを思っていたようだ。

ジェイソンは最後に「去年は0勝16敗で今年はスーパーボウル。こんな結果は思いもしなかったさ。・・・最初にこのチームに来た時は4月で、その時は良い感じのしないメディアばかりだった。10年目のシーズンで3つ目のチームだけど、今シーズン以上に楽しかったことはないね」と語っていた。

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