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TEウィッテンが再びフィールドへ、カウボーイズで電撃復帰

2019年03月01日(金) 14:50

ダラス・カウボーイズのジェイソン・ウィッテン【AP Photo/Eric Risberg】

アナリストとして活動していた元タイトエンド(TE)ジェイソン・ウィッテンがフットボールから引退した約1年後に現役復帰を決めた。

2018年3月3日にフットボールからの引退を宣言し、『ESPN』の“Monday Night Football(マンデーナイト・フットボール)”でアナリストを務めていたウィッテンが現地28日(木)、ダラス・カウボーイズでプロ16年目を送る意向を表明した。

ウィッテンはカウボーイズの公式サイトを通じてこのように語っている。

「競争したい、また試合でプレーしたいという自分の中の内なる炎が燃え盛っていたんだ。このチームには有望な若手選手が多数いるし、自分は彼らがチャンピオンシップを制するために手助けできればと思っている。これは完全に自分自身で決めたことだし、これに関しては自信がある。フィールドに戻るのが楽しみで仕方ない」

カウボーイズもまた、金額の提示によってウィッテンの復帰を誘っていた。『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地の情報筋の話を元に伝えたところによると、ウィッテンは現役復帰で最大500万ドル(約5億6,000万円)のインセンティブを受け取るようだ。また、ラポポートによれば、ウィッテンの新契約は340万ドル(約3億8,000万円)のベースサラリーになるとのことだ。

地方紙『The Dallas Morning News(ザ・ダラス・モーニング・ニュース)』によると、ヘッドコーチ(HC)のジェイソン・ギャレットは「(ウィッテンは)その骨にまだおいしい肉が残っているように感じたんじゃないかね。彼にはまだ、やり残したことがあったんだと思う。彼はフットボールが大好きで、その環境に身を置きたかったんだろう。彼の頭は自分がまだプレー可能であることを疑っていないはずだ。自分の頭の中にも、彼がまだプレーできるという考えはある」と語っていたという。

ベテランTEが現役復帰することで、カウボーイズのパス攻撃は少しばかりの改善を見せるだろう。

今年5月に37歳となるウィッテンは2003年ドラフトの3巡目でカウボーイズから指名を受けてプロとなり、ダラスで15年間を過ごしていたプレーヤーだ。この間、ウィッテンはオールプロに2回選出され、プロボウルには11回も選出されている。

引退を決意する最後のシーズンまでにウィッテンは通算でキャッチ1,152回、1,2488ヤード、タッチダウン68回を積み上げ、殿堂入りを果たしているワイドレシーバー(WR)ジェリー・ライス(1,549回)やTEトニー・ゴンザレス(1,325回)、アリゾナ・カーディナルスのWRラリー・フィッツジェラルド(1,303回)に次ぐNFL史上4番目のキャッチ数を記録している。

ウィッテンの引退によって昨年のカウボーイズ攻撃陣には大きな穴ができ、TEポジションに信頼の置ける選手が不在の状態でトレーニングキャンプに突入していた。当時のカウボーイズはウィッテンだけでなく、WRのデズ・ブライアントもオフシーズン中にリリースしていたのだ。

カウボーイズはドラフトでマイケル・ガラップを指名し、レギュラーシーズン中のトレード期限ぎりぎりでアマリ・クーパーを獲得したことによってWRポジションの穴埋めには成功した。しかしながら、TEポジションに関してはウィッテンのように安定した結果を残す選手を見つけられず、このポジションを担ったブレイク・ジャーウィンは27キャッチで307ヤード、タッチダウン3回という成績だった。

ウィッテンの電撃復帰はクオーターバック(QB)のダック・プレスコットやチーム全体にとっては当然喜ばしいニュースだろう。

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