クオーターバック（QB）ニック・フォールズが新たなプレー先として向かう先に驚きはなかった。

現地11日（月）、『NFL Network（NFLネットワーク）』のイアン・ラポポートとマイク・ガラフォロは現地の情報筋の話を元に、第52回スーパーボウルのMVPであるフォールズがジャクソンビル・ジャガーズと4年8,800万ドル（約98億円）の契約を締結する見込みだと報じた。また、ガラフォロはフォールズがインセンティブによって最大1億200万ドル（約114億円）を手にする可能性があるとも伝えている。

リーグの新年度が開始する13日に正式なものとなるこの契約は、新QBの加入と同時に、もう1人のQBとの別れをも意味している。

ラポポートはフォールズとの契約が正式なものとなった際、チームはQBブレイク・ボートルスを放出する予定だと報じた。ジャクソンビルで5シーズンを過ごし、13カ月前に3年契約を結んだばかりのボートルスは、リリースされた直後にフリーエージェント（FA）になる。

フォールズのジャガーズ入りはまったく驚くべき動きではなかった。1月に元QBコーチのジョン・デフィリッポを攻撃コーディネーター（OC）に指名して以来、ジャガーズがフォールズの新天地になるだろうとの憶測は飛び交っていた。それ以降、両サイドの関係性は深まり、結局そのままスムーズに契約へと至ったようだ。

フィラデルフィア・イーグルスは先月にフォールズに対するオプションを行使したものの、フォールズは200万ドル（約2億2,000万円）を支払って即座にこれを無効化した。その後、イーグルスがトレードを行うためにフランチャイズタグを指定することはなく、フォールズが同地区ワイバルのニューヨーク・ジャイアンツやワシントン・レッドスキンズへと流入するリスクも背負っていた。

そのような中、デンバー・ブロンコスがボルティモア・レイブンズからジョー・フラッコを獲得し、ケイス・キーナムをレッドスキンズへと送り出したこともあり、先発QB市場は縮小。周囲の動きが一段落した後、フォールズにとって最適なオプションとして残されたのがジャガーズだったのだ。

しかしながら、他にフォールズの獲得を狙うチームもいない中で、なぜジャガーズが年俸平均約2,200万ドル（約24億5,000万円）もの大金を支払う予定なのかという疑問も残っている。

ガラフォロによると、フォールズの市場や競争相手の有無に関係なく、ジャガーズは将来性も考慮した上でチームリーダーとしてのフォールズのステータスを保証し、敬意を表すために先発QBにふさわしい金額を提示したようだ。1年2,200万ドルのサラリーはフラッコよりは少なく、ラッセル・ウィルソンよりも高い金額となっている。ある指標によると、フォールズはこの契約によってリーグで11番目に高額なQBとなる模様だ。

このような市場を創り出したのはイーグルスをスーパーボウル制覇や2年連続のプレーオフ進出に導いたフォールズ自身の力だ。フォールズ獲得に向けた資金を確保するためにマリク・ジャクソン、カルロス・ハイド、タショーン・ギプソンなど、多数の実力派選手を切ったジャガーズにとって、そのすべてが価値のある動きだったと言えよう。

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