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WRブラウン、「歴史に名高いレイダースに入れてうれしい」

2019年03月14日(木) 11:01

ピッツバーグ・スティーラーズのアントニオ・ブラウン【AP Photo/Butch Dill】

現地13日(水)午後、背後に3つのロンバルディ・トロフィーが飾られ、新たなヘッドコーチ(HC)とジェネラルマネジャー(GM)にはさまれる形で席に着いたアントニオ・ブラウンがオークランド・レイダースのメンバーとして初めて公(おおやけ)の場で言葉を発した。

ピッツバーグ・スティーラーズとの約2カ月間におよぶにらみ合いの後、ワイドレシーバー(WR)のブラウンはリーグの新年度開始と共にようやく正式に新天地へとたどり着いた。保証額3,000万ドル(約33億3,000万円)がついた3年契約でサインしたブラウンはとりわけ、長い歴史を持ったチームに加入できることをうれしく思っているようだ。

レイダースへの移籍についてブラウンは、「歴史的にも名高い場所。ここに来られたことを誇りに思う。ここでたくさんの偉大な選手たちがプレーしてきたことを知っている。今も変わらずにすばらしい彼らと同じ建物にいることに興奮している。また、勝てる環境を追い求める仲間たちの一員になれてわくわくしている」と述べていた。

ブラウンの元所属チームに勝利の伝統がないという意味ではない。スーパーボウルを6度制覇してきたスティーラーズはブラウンが在籍した9シーズンを通じて6度のポストシーズン進出も果たしている。その間を通じ、ブラウンはドラフト6巡目の下位指名選手からリーグ最高峰の選手とも呼ばれるようになっていた。

しかし、ブラウンが2018年シーズン後に数々の理由から変化を求めたため、スティーラーズは最終的にドラフト3巡目指名と5巡目指名権と引き換えにブラウンをトレードすることに決めた。

ブラウンはスティーラーズについてこのように語っている。

「ピッツバーグはこれからもずっと私の家族だ。21歳の時、自分にチャンスを与えてくれたのが彼らだ。ここ最近、多くの人たちはさまざまなことを耳にし、目にしてきたとは思うが、結局のところ、人それぞれに感じ方は違うという結論に至る。自分が練習し、プレーしている姿を見たみんなは自分を誇りに思い、勇気を感じてくれたとも思っている。スティーラーズネーションにとって今日は良くない日となっただろうが、自分の中には常に愛情がある」

スティーラーズがブラウンに対する別れのメッセージを送ったのは、ブラウンの入団会見が始まって数分後のことだった。

ジェネラルマネジャー(GM)ケビン・コルバートはチームが発行した簡潔な声明文の中でこのように述べていた。

「われわれはトレードでアントニオ・ブラウンをオークランド・レイダースに手放した。われわれはその補償に加え、来たるNFLドラフトにおいては最初の83人のうちに4つの指名権を手にし、全体では10個の指名権を保有することとなる。これによって、2019年やそれ以降にチームが改善する可能性は拡大するだろう」

「アントニオはナショナル・フットボール・リーグにおいていまだ最高クラスの選手であるが、われわれは今回の動きがピッツバーグ・スティーラーズにとって最も利益をもたらすものであったと信じている。われわれはアントニオが今後のキャリアでも活躍することを願っている」

レイダースは13日、正式にブラウンを獲得したが、報道によればこれと同日、先シーズンにドラフト1巡目指名と引き換えでアマリ・クーパーを放出し、WR陣の再建を必要としていたレイダースが、ディープスレットのWRタイレル・ウイリアムスの獲得も決めたようだ。

両方のトレードに関わったヘッドコーチ(HC)のジョン・グルーデンは13日の記者会見中にクーパーのトレードに関し、振り返りの議論は望まなかったものの、現在のWR陣がベストであるとの自信はのぞかせていた。

同様に、先シーズンにリーグ23位に沈んだレイダースのオフェンスを再興できると自信を見せているブラウンは、「自分には責任が伴っている。アクションを起こすのが自分だ。発言や所作ではない。物事に対してどのようにアプローチするかだ。WR陣のみんなにも責任を感じてもらいたい」ともコメントしている。

また、デレック・カーという新たなクオーターバック(QB)と戦っていくことに関してブラウンは「単純に新鮮さ。彼は成功に飢えている気がする。このチームの未来を変えようと必死だし、勝利を味わおうと燃えている。自分もまったく同じ気持ちだ。自分たちは神を信じ、家族を第一に考え、そして、何よりできるかぎり自分のベストの仕事をしたいと思っている点で同じ信念を持っている」と語っていた。

長年のブラック&イエローではなく、シルバー&ブラックを身にまとうブラウンの姿を見慣れるにはもう少し時間を要するかもしれないが、もし会見中のブラウンの服装がそれを意識したものであったとすれば、ブラウンはもうすでにレイダースのカラーに馴染み始めているのかもしれない。

【S】