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レイダースやシーホークスでプレーしたKジャニコウスキーが引退へ

2019年04月30日(火) 09:34

シアトル・シーホークスのセバスチャン・ジャニコウスキー【AP Photo/Roger Steinman】

リーグ最高峰のキッカー(K)が約20年間の現役生活に終止符を打った。

オークランド・レイダースやシアトル・シーホークスで活躍したKセバスチャン・ジャニコウスキーが2000年ドラフトでの1巡目指名で始まった19年間のプロ生活から引退する。

41歳のKは『ESPN』に対して「とても楽しかった。スーパーボウルのことは考えてしまうんだ。まだ、心がいたいよ」と述べていた。

体格の良いポーランド生まれのKは2000年にレイダースが指名した史上3人目の1巡目指名(全体17位)Kとなった。ジャニコウスキーはレイダースが同年の5巡目で指名したパンター(P)シェイン・レクラーと共に優れたキッキングデュオとして名を馳せた。

ジャニコウスキーはレギュラーシーズンの284試合に出場し(史上16位)、542回のフィールドゴールアテンプト(10位)で436回の成功(9位)を記録している。また、ジャニコウスキーによる1,913得点は史上10位となっており、それは選手としてアダム・ビナティエリに次ぐ2番目の記録だった。

大きな体から繰り出される大砲のようなキックを放つ選手として知られたジャニコウスキーはロングでのフィールドゴールにも臆することなくトライし、76ヤードから蹴ったこともあった。キャリアを通じてジャニコウスキーは60ヤード以上のフィールドゴールキックを9回経験しており、そのうち2回は成功させていた。最長のキック成功はレイダース時代の2011年に決めたデンバー・ブロンコス戦での63ヤードだ。その当時、ジャニコウスキーによる63ヤードのキックはNFL史上最長記録とタイになったが、2013年にブロンコスのKマット・プレイターが64ヤードを成功させて同記録は塗り変えられていた。

ジャニコウスキーは19年のプロキャリアの大半をレイダースで過ごしたものの、腰の故障の影響で2017年シーズンをまるまる棒に振った後、レイダースがジャニコウスキーと再契約を結ばない方針を固めたために、2018年シーズンは移籍したシーホークスでプレーした。ジャニコウスキーはシアトルでフィールドゴール成功率81.5%を記録し、キャリア5回目となるポストシーズン進出を経験することができた。

シーホークスがワイルドカードゲームでダラス・カウボーイズに敗北を喫した際、ジャニコウスキーは前半の終了間際に57ヤードのフィールドゴールを蹴ろうとしてハムストリングスを負傷した。同試合の第2クオーターで2回の短いキックを成功させていたものの、ハムストリングスを痛めて失敗となったフィールドゴールアテンプトが彼にとっては最後のアテンプトとなってしまった。

ジャニコウスキーがその長いキャリアを通じてプロボウルに1度しか選出されておらず、ファーストチームのオールプロには1度も選ばれたことがないのは意外だろう。

彼の引退や今オフシーズン開始後すぐにレクラーが引退を宣言したこともあり、2000年のドラフトで指名を受けた選手で現役を続行しているのはリーグでただ1人のみとなった。トーマス・エドワード・パトリック・ブレイディ、そう、誰もが知るニューイングランド・ペイトリオッツのクオーターバック(QB)トム・ブレイディである。

ブレイディのように有資格者となっても殿堂入りは厳しいかもしれないが、Kらしからぬ風貌や良い意味で期待を裏切ったフットボール史上最高クラスにユニークなアスリートとして、ジャニコウスキーの姿はレイダースファンや熱狂的なフットボールファンの心に残り続けるだろう。

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