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シーホークスがWRボールドウィン、Sチャンスラーに別れを宣告

2019年05月10日(金) 09:31

シアトル・シーホークスのダグ・ボールドウィン【AP Photo/Stephen Brashear】

エメラルドシティことシアトルの一時代が幕を閉じた。ワイドレシーバー(WR)ダグ・ボールドウィンとセーフティ(S)カム・チャンスラーの両者がシアトル・シーホークスのメンバーから外れるようだ。

シーホークスは現地9日(木)、フィジカルチェックをパスできなかった両プレーヤーとの契約を打ち切ることを明かした。

ジェネラルマネジャー(GM)のジョン・シュナイダーは声明の中でこのように述べている。

「シーホークスはフィジカルチェックをクリアできなかったダグ・ボールドウィンとカム・チャンスラーとの契約を終了させるという難しい決断を下した。彼らはわがチーム史において象徴的な存在だった2人であり、チャンピオンシップのカルチャーを形成する上で必要不可欠なプレーヤーだった。また、コミュニティやフィールドの上で強い闘争心やリーダーシップを発揮してくれた選手たちだ。この伝説的な2人の選手は今後もずっと、シーホークスファミリーの一員である」

“リージョン・オブ・ブーム”時代の象徴的な選手だったボールドウィンとチャンスラーの両者はここ数シーズンを通じて故障による欠場が多く、今回の動きによってキャリア終了を迎える可能性もあるだろう。

2018年シーズン終了以降で3回も手術を受けたボールドウィンが最近受けたスポーツヘルニアの手術は、最低2カ月は動きを制限する見込みだった。先月下旬のドラフト中にはボールドウィンに引退の意志もあるようだと報じられており、シュナイダーGMは記者に対して「われわれはボールドウィンが難しい時間を過ごすことになるのを分かっている」と語り、ボールドウィンの意向を認めていた。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートによると、9日のリリースによって故障以外には何も問題がなかったボールドウィンのキャリアはほぼ終了となったようだ。股関節の負傷に加え、先シーズンのボールドウィンは膝と肩に痛みを抱えていた。

もし引退となれば、ボールドウィンはレシーブ493回(シーホークス史上3位)、6,593レシーブヤード(3位)、タッチダウン49回(2位)の記録を残してフィールドを去ることになる。2度のプロボウル選出やスーパーボウル制覇をも経験し、元ドラフト外選手のボールドウィンにとっては申し分のない成績と言えるだろう。

おそらくプロとして最後のシーズンにボールドウィンはレシーブ50回、610ヤード、タッチダウン5回をマークしていた。また、最後の試合となったかもしれないダラス・カウボーイズとのワイルドカードゲームでは3キャッチ、32ヤードを記録している。

一方で、2018年シーズンを棒に振ったチャンスラーは選手生命を脅かすほどの首の負傷を抱えたものの、決して引退を宣言することはなかった。シーホークスの実力派セーフティ(S)は2018年シーズンをまるごとPUP(故障者リスト)上で過ごしていた。

ボールドウィンと同じように、チャンスラーにおいても引退説が濃厚だろう。2010年のドラフトの5巡目でシーホークスから指名を受けたチャンスラーは10カ月前、『Instagram(インスタグラム)』に長文を投稿し、自分が最後の試合をプレーした可能性に触れていた。

現在、ボールドウィンとチャンスラーがロースターから外れることとなったシーホークスにいる2013年シーズンのスーパーボウル優勝メンバーは、ボビー・ワグナー、ラッセル・ウィルソン、K.J.ライトだけとなっている。

ボールドウィンとチャンスラーの代わりとなるだろう選手たちの実力はまだ証明されていない。ボールドウィンは新人のD.K.メットカーフやデビッド・ムーアによって取って代わられる。一方のチャンスラーの代わりは先シーズンからブラッドリー・マクドゥーガルドが務めていた。

シーホークスは来たる数年でボールドウィンとチャンスラーがもたらした生産性を取り戻せるかもしれない。しかしながら、シーホークスはチーム史の中でも最高峰の偉大なリーダーたちに別れを宣告するのだ。彼らのような選手を見つけるのはそうそう簡単なことでない。

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