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ブロンコスQBフラッコは「今もスーパーボウルのMVP級」とLBミラー

2019年06月06日(木) 06:03


デンバー・ブロンコスのジョー・フラッコ【AP Photo/David Zalubowski】

デンバー・ブロンコスのクオーターバック(QB)ジョー・フラッコは時の流れにあらがおうとしているのかもしれない。その腕はまだまだ衰え知らずだ。

現地4日(火)、チームのミニキャンプで34歳のフラッコがビッグボムを連発する様子を、チームメイトのボン・ミラーは畏敬の念を持って見つめていた。

「俺には彼がスーパーボウルのMVPみたいに見えるよ」とミラーは『Associated Press(AP通信)』に語った。「今日、彼はプレーアクションをして、右にロールアウトし、こっちの20ヤードラインから反対側の15ヤードラインまでボールを投げたんだ。一体どれくらいの距離だったんだろう」

65ヤードに及ぶそのディープパスは、惜しくもレシーバー(R)ブレンダン・ラングリーのリーチ外に着地した。

「長いボールだったよ」とミラーは言う。「彼は簡単に80ヤードを投げられるんだね」

実戦では何も80ヤードもの距離を投げる必要はない。実際この練習中にフラッコはルーキーのタイトエンド(TE)ノア・ファントにパスを通し、50ヤードをゲインしてみせている。だが、その腕の強さがチームメイトたちを感心させたのは確かだ。

投げられる距離の長さだけがQBの価値ではないと、このベテランQBは認めている。

「俺には分からないよ。あんまり遠くまでボールを投げずに済むといいけどね。ボールをスムーズに受け取って、リズム良く投げたい。できればダウンフィールドに50ヤード程度、それ以上プッシュする必要がないことを願うよ」

「でも、ここだともう数ヤードはいけるかもしれない。俺には自分がどれだけ遠く投げられるか全く分からないんだ。本気で試したことはないし、やってみる予定もない」

ブロンコスファンは2012年シーズンにフラッコが見せたある一投を忘れはしないだろう。当時彼が所属していたボルティモア・レイブンズがプレーオフでブロンコスと対戦。戦局不利な試合終盤にジャコビー・ジョーンズに70ヤードのタッチダウンパスを通し、レイブンズをスーパーボウルに導いたプレーだ。

「あれは興奮したね」と当時を振り返ったフラッコは言う。「あのパスは今思うと、50ヤードくらいしかなかった気がする。もっと遠くてもいけたかもしれない。ジャコビーは自分のところにボールが来るなんて考えてもいなかったんだ。俺は決めてやろうと思い、意気込んでいた。でも次にちょっと力を抜かなきゃならなかった。あの時はそれほど遠くに投げたわけじゃない。でも、どうあれ気分はいいね」

フラッコにはビッグアームだけでなく知性もあるようだ。新天地へと来た彼が、今度は自分の成功を応援してくれるファンの苦い記憶を刺激し過ぎないのは賢明だ。

ブロンコスの2019年の隆盛は、フラッコがどれだけ遠くまで投げられるかではなく、ショート、中間、ロングとピンポイントで彼がフィールド中にパスを通せるかどうかによるだろう。とはいえ、ボムを決めなければならない場面が訪れた時にその力がまだ彼に残っていることが分かって良かった。

【M】