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QBウィンストンの指導役は“ライジングスター“OCレフトウィッチ

2019年06月21日(金) 12:14

バイロン・レフトウィッチ【AP Photo/Ralph Freso】

ジェイミス・ウィンストンの耳元でささやくのは、『The Quarterback Whisperer(クオーターバック・ウィスパラー)』と題された本を著した人物ではない。

ブルース・エリアンスヘッドコーチ(HC)がタンパベイ・バッカニアーズを引き継いで以来、QBウィンストンの未来についてはエリアンスがこのQBの力を解き放てないのなら、誰にもできないとうわさされてきた。しかし、ウィンストンと大仕事に取りかかっているのはエリアンスではないようだ。その役割を担っているのは、オフェンシブコーディネーター(OC)のバイロン・レフトウィッチだという。

エリアンスが“この業界のライジングスター”と呼ぶレフトウィッチは、元全体1位指名選手であるウィンストンのメインの指導役を務めている。

『ESPN』のジェナ・レインによれば、エリアンスはQBルームにおらず、OCとQBコーチのクライド・クリステンセン、そしてミーティングルームでエリアンスに代わって聞き役を務めるNFLでのアシスタント経験が長いトム・ムーアにその役割を委ねているようだ。

メインでウィンストンの開拓プロジェクトを進めるレフトウィッチに対して、エリアンスは初めてフルタイムのOCとなったレフトウィッチがこれまで素晴らしい仕事をしていると称賛した。

「彼は終始見事だったと思う。ミーティングルームで本当に素晴らしい仕事をした。彼は何より、非常に優れた教師だと思う。彼は自分が何を言っているかを分かっている。彼はものすごく素晴らしい指導役だ。彼はその人が必要な場所に配置している」

2003年にジャクソンビル・ジャガーズから1巡目全体7位で指名を受けたレフトウィッチはQBとして4シーズンで44試合に先発している。そこから5シーズンはバックアップとなり、そのうちの2年はピッツバーグでエリアンスと共に過ごした後、2012年に引退した。エリアンスに口説かれたレフトウィッチは2016年にアリゾナ・カーディナルスのコーチングインターンシップに参加。2017年にカーディナルスのQBコーチとなったレフトウィッチがその職にとどまった一方、エリアンスは2018年にチームを離れた。カーディナルスの苦戦を受け、レフトウィッチは昨年半ばに暫定OCに昇進している。

「彼が(2018年にアリゾナで)暫定の肩書でやったことを見れば、それは彼のオフェンスですらなく、(元OCの)マイク・マッコイのオフェンスだったが、彼は数人のルーキーととてつもなく素晴らしい仕事をした。彼は準備万端だ」とエリアンスは語った。

負傷によってロースターが縮小するのを目にしてきたOCは、その教訓を胸に刻んでいる。

「去年、私に起こった一番素晴らしいことは、去年の最後の2カ月であの状況にあったことだ。ときには7人や9人のルーキーがハドルにいたこともあった。われわれに4つのドラフトピックがあったわけではないと思う。こういったこと、私が去年学んだことはコーチとして初期のキャリアでは経験できなかったことで、それを経験するチャンスがあって、そこから私は自分がより優れたコーチになったと思う」

選手たちはレフトウィッチの知識や、4年にわたって先発を務めた経験に敬意を払っている。

ワイドレシーバー(WR)のクリス・グッドウインは「彼が持っているもので俺や他のコーチたちにないものは、彼が選手としてもルームにいたということだ。彼はそういうレベルで関わることができる。彼は芝の上にいて、そのレベルの感覚を持っているんだ。だから、その部分で彼は多くの敬意を払われていると思う」と話した。

レフトウィッチはフィールド上での自らの経験と、先発の役割にしがみつこうとするプレッシャーの両方からウィンストンに共感することができる。

「彼は俺が見ているものを分かっていて、ポケットにいたことからくる彼の理解や、戦略的な視点が全てじゃないところが素晴らしいよ」と言うのはウィンストンだ。

ウィンストンにとってきわめて重要になるこの1年、QBウィスパラーことエリアンスHCはレフトウィッチを信じてシグナルコーラーの立て直しとオフェンス陣の成功を託す。その判断が吉と出るか凶と出るかは、7月にトレーニングキャンプが始まったときに見えてくるだろう。

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